日本経営士会中部支部

2020-02-11

1:5の法則

2020/2/11配信


「ビジネス理論かんたん解説 No.2」

今回ご紹介するのは「1:5の法則」です。


1:5の法則

◆1:5の法則とは

「イチゴの法則」とも言われます。

新規顧客の獲得や販売に要するコストは、既存顧客に対するコストの5倍になる、という法則です。

これは、米国経営コンサルタントのフレデリック・ライクヘルドが提唱した法則だと言われています。

例えば、新規顧客から注文を取るためにかかる時間や営業回数は、既存客に対する場合の5倍がかかるということです。

また例えば、新規顧客500人に出すDMの効果と、既存客100人に出すDMの効果が同じになるということです。

それならば、新規客を増やすことよりも、既存客を中心に攻めていった方が効果が出ますよね。

ですから、「ルートセールス」という手法が効果を発揮するのでしょう。

この法則は「信頼感」に基づいています。

既存客には、折に触れて連絡や挨拶をし、その要望に応えながら「信頼」を積み重ねていくことが重要です。

◆5:25の法則

そして、これと同じような使い方で、「5:25の法則」というのがあります。

顧客をほおっておくと1年で2割は減ると言われていますが、顧客離れを5%改善できれば、利益は最低でも25%改善されるというのが、この法則です。

この2つの法則から、既存客を大切にすることの重要性が分かります。

ですから、ネット販売は新規客を増やすことに目が行きがちですが、既存客をしっかりフォローすることを忘れてはいけません。

◆1:5の法則の活用

町田市に、有名な家電店「でんかのヤマグチ」があります。

周囲の大型家電チェーンよりも随分と高値で販売しているお店です。

このお店は、1:5の法則も5:25の法則もよく理解しています。

ですから、既存客と新規客のデータ化が当たり前です。

その既存客も、来店頻度や購入金額に応じてクラス分けがされています。

外商員は、そのリストをもとにルートセールスです。

いつしか、お客様と外商員は親戚のようになっていきます。

信頼をしている外商員が勧める商品は、たとえ大手チェーンより高くても買ってもらえるのです。

これは、リアル店舗だけでなく、ネットショップでも同じだと言えます。

ネットショップは新規客ばかりを相手にしている感じがしますが、既存客を攻めてこそ、より効果が出るのです。

編集後記

皆様は、どれくらい既存客を大切にしているでしょうか。

既存客もほおっておけば、離れていきます。

新規客を掴むほどの労力は必要ありませんが、それなりのエネルギーは必要です。

決して手を抜いてはいけません。

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