日本経営士会中部支部

2020-03-14

SWOT分析

2020/0/0配信


「ビジネス理論かんたん解説 No.4」

今回ご紹介するのは「SWOT分析」です。


SWOT分析

◆ SWOT分析とは

SWOT分析は、経営戦略を考えるときに便利な環境を分析するツールで、経営コンサルタントにとっては、基本中の基本です。

自社の

「強み(Strength)」

「弱み(Weakness)」


事業の

「機会(Opportunity)」

「脅威(Threat)」

を見極めます。


「強み、弱み」は、

自社の組織力、財務体質、製品開発力、技術力、ブランド力、人材、歴史など経営資源に関する分析です。


「機会、脅威」は、

市場の動向、競合他社の戦略、顧客層の変化、今後の景気、国の政策、世界経済など、外部の動きについて分析します。


これらを、4つのマスの中に書き出して整理をしたあとで、強み・弱みを機会・脅威に当てはめて考えるのです。

すると、

  • 強みを活かせる事業機会は何か
  • 脅威を回避できる自社の強みはあるか
  • 事業機会を取りこぼす要因となる弱みはあるか
  • 最悪の事態を招かないためにどうしたらいいか

ということまで、考えることができます。

◆ SWOT分析の活用

A寝具店のSWOT分析をしたところ、次のようになりました。


〈強み〉

  • ボランタリーチェーンに加盟している。(商品調達力)
  • オリジナルノベリティに人気がある。(商品開発力)
  • 接客がうまく、顧客からの信頼がある。(信用力)
  • 会員メンバーから顧客ニーズを収集している。(情報収集力)
  • 「親と子の快眠教室」が当たっている。(企画力)

〈弱み〉

  • 若年層の来店客数が大幅に減っている。(販売力)
  • データベース化した顧客情報が活用されていない。(技術力)
  • 販売、マーケティングに関するノウハウがない。(組織力)

〈機会〉

  • 市内経済は回復傾向にある。(経済動向)
  • 行政の子育てサービスが充実してきている。(国の政策)
  • 核家族世帯向け建築需要が増加している。(市場動向)
  • 介護用に改装をする家が増加している。(今後の景気)
  • 大手スーパーの品ぞろえが不十分である。(競合他社)

〈脅威〉

  • 市の人口が緩やかな減少傾向にある。(人口動態)
  • 大型スーパー出店で、商店街小売店の閉店が続く。(市場動向)
  • 若年層の大半が大型スーパーに流れている。(顧客層の変化)
  • シルバー世代が減少していく。(顧客層の変化)

さて、A寝具店は今後どんな方向に進めばいいでしょうか。

皆さん、お考え下さい。

編集後記

SWOT分析は、どの経営コンサルタントも頻繁に使います。

問題点や課題を整理するには便利だからでしょう。

ところが、とらえ方によっては脅威とも機会とも考えられたり、強みとも弱みとも考えられることが出てきます。

さらには、分析をしても、「では、具体的にどうしたらいいのか」ということまで導き出してはくれません。

意外と便利ではないのです。

ここからが、経営コンサルタントの腕の見せ所と言えます。

関連記事