日本経営士会中部支部

2020-05-19

ありがとうハガキで信頼を

2020/5/19配信


「コンサルの現場 No.7」

やれば効果があることが分かっていても、それをやらない経営者がいます。

「面倒くさい」とか「そんな暇はない」というのが彼らの言い分です。

勿体ないですね。

これでは、いつまでたっても業績は良くなりません。

今回は、その「面倒くさい」ことをして成果につながった事例です。


ありがとうハガキで信頼を

◆ 手紙を出す

コンサルティングの中で、「手紙を出す」ことを提案することがよくあります。

とはいえ、「手紙を出す」ことは全ての方が実行できることではありません。

だからこそ「手紙」を出せば、かなりの確率で良い結果につながります。

その事例を2つご紹介します。

◆ 商品に手紙を

まずは、地方の小さな電器店の事例です。


そのホームページを見たお客様から電話やメールで注文が入ります。

遠方の方はお店に品物を取りに来られませんから、配送しなくてはなりません。

店主は商品を梱包する時に、ていねいな手書きの手紙を一緒に入れます。

3年前から始めて、今も続いています。


電器店のオヤジさんから手紙をもらったことのあるお客さんは、それほどはいません。

ですから、梱包を開けてビックリです。

手紙からは店主の暖かさが伝わってきます。

そのおかげでお店の熱烈なファンが増えていったのです。


手紙を書くだけでファンになっていただけるのなら、実行しない手はありません。

ほんの少しのひと手間です。

◆ ありがとうハガキを毎日

2つ目の事例は、60年の歴史のある仏具店です。


時代の流れで、3年前からネットショップを始めました。

売上の伸びるスピードが少し落ちてきたので、もっと速いスピードで売上を上げたいとのこと。

そこで、いろいろな手を打ちました。

その一つが「ありがとうのハガキ」です。


注文のあったお客様すべてにお礼のハガキを書くことにしました。

毎日30通以上、それも店主の手書きです。

1ヶ月に1千通近くになります。

年間で1万通を超える計算です。

店主一人で書きますので、結構大変です。

それでも、効果があると信じて出し続けました。

すると、お客様からハガキのお礼の返事が来るようになります。

リピーターも増えていきました。


ネットという顔の見えないビジネスだからこそ、手書きのハガキは一層効果があるようです。

売上はうなぎのぼりに増えていきました。

もちろんハガキだけが要因ではありませんが、少なからず影響があったのは確かです。

売上が上がった時の店主の嬉しそうな顔は忘れられません。


この2つの事例から、手紙で感謝の気持ちを伝え続けると、お店のファンが増えることが分かりますね。

編集後記

効果があると分かっていてやらないのは、本当に分かっていないからです。

出来ない理由ばかりを探していると、いつまでたっても出来ません。

手間ひまがかかることをやり続けることが、成功の秘訣です。

関連記事