日本経営士会中部支部

2020-11-24

セミナー講師奮闘記

2020/11/24配信


「コンサルの現場 No.16」

コンサルタントには、セミナーや研修などの講師をする仕事があります。

人前で話す仕事ですね。

積極的にそればかりを行っているコンサルタントもいます。

とはいえ、講師をするのは決して楽ではありません。

今回は私のセミナー講師としての奮闘模様です。


セミナー講師奮闘記

◆ セミナーの研究

実は私は人前で話すのが得意ではありませんでした。

あがり症なので、人前で話すときは足が震えますし、のどはカラカラになります。

しかし、経営コンサルタントである以上、人前で話すことを避けては通れません。

セミナーや研修講師の依頼がやってきます。

ですから、セミナーや研修がうまく出来なくては話になりません。


そこで私は、コンサルタント事務所を開業した当時、どうしたらうまくセミナーができるか、ずい分とその手の本を読んで研究しました。

本を読めばそれなりのヒントはもらえます。

だからといって実際のセミナーがうまくなるわけではありません。

スポーツ選手が理論を学んだからといってうまくならないのと同じです。

何かいい方法はないでしょうか。

◆ セミナー修業

そんな時、「セミナーコンテスト」というイベントに出会いました。

7人のプレゼンターがそれぞれ10分間のセミナーを行い、その優劣を競うというイベントです。

その優劣は数十人の聞き手による投票で決まります。

主催は、セミナー講師を養成する機関です。


私はセミナーがうまくなりたいという気持ちで、勇気を出してプレゼンターとして参加をしました。

ところが、案の定、10分間のセミナーで全くうまくしゃべれません。

自分にがっかりです。

この先、講師としてやっていけるだろうか。

不安になってきました。

しかし、ここでくじけてはダメです。


その後、セミナー講師をする機会を積極的に作っていくことにしました。

みずからセミナーを開催して講師を務めます。

また、講師の依頼があれば、どこへでも飛んでいきます。

そうして実践を繰り返していきました。

さらには、多くのセミナーに参加して、他の講師のやり方も参考にしていきます。

◆ セミナーでの気付き

そうこうしているうちに、数年が過ぎました。

すると、参加者から「分かりやすい」という声がいただけるようになったのです。

「分かりやすい」というのは、講師にとっては最上のほめ言葉だといえます。

冷や汗をかきながら講師を続けてきた成果です。

とはいえ、今でも私のセミナーはお世辞にも「うまい」とは言えません。

さらなる勉強が必要です。


しかし、セミナーを続けてきた中で気付いたことがあります。

それは、セミナーでは講師の全人格が現れる、ということです。

ですから、セミナーの技術を向上させるのも必要ですが、自分の人間性を高めることが重要なのだと気が付きました。

その点ではまだまだ先は長いです。

一生かかって人間性を高めていかなくてはなりません。

その一方で、もうセミナーが苦手だとは思わなくなった自分がいます。

これも今までセミナーの機会を与えていただいた皆さまのおかげです。


今後も人間力を磨きながら、参加者に伝わりやすいセミナーを心がけていきたいと思っています。

修行に終わりはありません。

編集後記

分かりやすいセミナーを行うには、話の構成やスライドの作り方など、基本的な技術があります。

我流ではなかなかその技術は手に入りません。

これについては、またの機会にご紹介しましょう。

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