日本経営士会中部支部

2023-02-07

明るい会議を行う

2023/2/7配信


さて、今回は「儲かる会社になるヒント No.24」

テーマは「明るい会議を行う」です。


会社によって、会議の進め方は違っています。

成果のあがる進め方もあれば、そうでない進め方も。

どうせ行うなら、成果のでる方が良いですね。


明るい会議を行う

◆ 完璧な会議

先日、ある中小企業の会議に参加しました。社長は大変優秀な方で、勉強家です。

その会社の業績は、ぐんぐんと伸びています。

会議は月に2度。10名の社員は、全員参加です。会議の長さは1時間半から2時間。

進行役は社長です。社長は、まず会社の理念の話から入ります。

社員の皆さんと「理念」の共有、確認をしようというわけです。素晴らしいですね。

こう言っては何ですが、会議で「理念」の話をする会社は、そんなにあるものではありません。


続いて、数字をあげて業績の説明がされ、問題点も明らかにされていきます。

今後の予定についても確認されます。社長の話が終わると、次は社員さんの番です。

1人づつ、自分の成果や問題点を述べていきます。

その都度、社長は内容を確認しながら、進めていきます。

一通り終わったところで、90分が経過していました。

流れるようにスムーズな会議の風景です。完璧ですね。

◆ 会議で気が付いたこと

しかし、私はここで気がついたことがあります。

90分の会議中、全く「笑い」が起こりませんでした。

ずっと、息苦しいほどの緊張感がただよっていたのです。

はっきり言って、とても「つらい」会議でした。

その一つの要因は、社長が優秀すぎることにあります。


社員の中で、自分だけでなく会社の問題点をあげた方がいました。

すると社長は詰問をします。

「その問題はどうして起こったのか?」

「そして、どのように解決がされたか?」

返答をする社員の声がだんだんと小さくなっていきます。

結局、その問題点に対する解決策を、社長自ら提案します。

実は、この会議のやり方だと、会社の本当の問題点が見えてきません。

進め方を変えるといいでしょう。

◆ 会議の進め方

まずは、議事進行を社長以外の人が行うことです。

社員の中で、意見をまとめることの上手な人を指名します。

そして、必ず議事の記録係を設けることです。

議事内容を出席者に分かるように、簡潔にまとめてもらいます。

そのとき、決定した事項は、いつまでに、誰が行うか、ということを明記します。

ホワイトボードを使って議事を進めると、参加者の理解が進みます。

そして、決定されなかった事項は、「次回持ち越し」とか「別途打ち合わせ」として議事録に記します。

このようにすれば、会議を全員で行っているという、意識になって行きます。


さて、問題は「笑い」です。

会議は、やはり緊張をした中で行うより、なごやかな中で意見を出し合った方が、いい案が出ます。

そのためには、社長は社員を詰問してはいけません。

また、たとえ自分に答があったとしても、皆で一緒に考えるという姿勢を見せることです。

そして、皆が冗談を言い合えるような会議の雰囲気を作ることです。

それは、社長が社員の皆さんに対して「感謝」の気持を持っていれば出来ます。

ぜひ、明るい雰囲気の会議を行い、楽しく働ける職場にしましょう。

編集後記

社長が議長を務めると、どうしても上から目線になったり、独りよがりになったりします。

議事の進行を社員に任せれば、社長も客観的に考えられますし、社員も育っていくのではないでしょうか。

さらに言えば、会議を多くやれば良いというものでもありませんし、長くやればいいというものでもありません。

成果につながる会議の進め方を研究しましょう。


(文責:経営士 梅本泰則)

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