日本経営士会中部支部

2023-07-04

経営とは何か?

2023/7/4配信


「儲かる会社になるヒント No.31」

テーマは「経営とは何か? 」です。

少し硬い話をしたいと思います。そして、大変重要な話です。

「経営の意味」について考えてみます。


経営とは何か?

◆ 経営の意味

さて、あなたは誰かから「経営とは何か?」と聞かれたことはありませんか?

難しい質問です。あなたなら、どう答えるでしょう。

手元の辞書によれば、「事業を経済的に行うこと」とあります。
もう一つピンときませんね。

別の辞書には、
「方針を定め組織を整えて、目的を達成するよう持続的に事を行うこと。
特に会社事業を営むこと。」とあります。

これも表現が難しいですね。

実は、この問いには、いろいろな経営者や専門家が答えています。

例えば、
・経営とは時流に適応することである。
・経営とは企業を継続させることだ。
・経営とは判断・決断をすることだ。
・経営とは人づくりだ。
・経営とは自分の夢の実現だ。

どれもその通りですね。

中には、「経営とは金儲けだよ」と答える経営者もいます。
それも間違っていません。

経営者によって、経営の定義が違っています。それで良いのです。

ただし、自分が納得の出来る答えを持っていることが大切です。

◆ 納得のいく定義

では、筆者の「経営の定義」は何でしょう。

先に挙げた定義の中には、「そうだ!」と思えるものもいくつかあります。
実際に、コンサルの現場でお伝えしている定義もあります。

しかし、これらの定義をよく見ると、
ほとんどが自分の方を向いた内容になっているとは思いませんか?

いわば自社内についてのことばかりです。

経営を考える時、もっと自社の外に目を向けてもいいのではないでしょうか。
自社の外とは、「地域」とか「社会」とかのことです。

そうした視点で「経営とは何か」を考えると、経営とは
「事業活動を通じて、社会に利益をもたらすとともに、
 地域や社会の成長・発展に貢献すること」
ということになるでしょう。

つまり、「時流に適応する」のも、「事業を継続させる」のも、
「判断・決断」「人づくり」をするのも、この「社会貢献」のためだと思うのです。

そう考えると、納得ができます。

◆ 他者のため

要するに、経営は自分のためだけでなく、他者のためにもあるべきだ、ということです。

そして、そうあるためには、何といっても、利益を出し続けなくてはいけません。
利益が出なければ、他者のことなど、かまっていられなくなるからです。

また、雇用を増やすことも、社会貢献につながります。
もちろん、税金を納めることもです。社会的な活動も含まれます。

それ以外にもあるでしょう。
それらを通じて、地域や社会に、何らかの貢献をすることです。

これが、筆者の考える「経営」です。
そう考えたとき、会社としてやるべきことが見えてきます。

ぜひ、この機会に、もう一度経営について深く考えてみようではありませんか。
それが、儲かる会社となる道でもあります。

編集後記

「経営の意味」について、絶対に正しい答えがあるわけではありません。

自分の人生観や信念によって、定義はそれぞれです。
また、時間の経過によって、定義が変化することもあります。

それでも、経営の意味について考え続けることが、経営者の役目です。


(文責:経営士 梅本泰則)

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