日本経営士会中部支部

2024-03-12

お客様に儲かるヒントを聞く

2024/3/12配信


「儲かる会社になるヒント No.43」

テーマは「お客様に儲かるヒントを聞く」です。

小売業の話をします。ただし、卸売業や製造業にも応用できる話です。

売上の公式は「客数×客単価」でした。

ですから、客数を増やすことは、売上向上につながります。

どうしたら客数が増えるか、考えてみましょう。


お客様に儲かるヒントを聞く

◆ 売上が下がっている原因を探す

今、あなたのお店はお客様の数は増えているのでしょうか。

それとも、減っているのでしょうか。

もし、売上が下がっているとしたら、客数が減っている可能性があります。

何か手を打たなくてはなりません。


それには、原因を探る必要があります。

あれやこれやと原因を思い浮かべることはできるでしょう。

しかし、それはあくまで仮説でしかありません。

もう少し正確にその原因を見つけるためには、お客様本人から聞いてみるのが近道ではないでしょうか。

それによって、意外な原因が見つかることもあります。


では、どうしたらお客様から聞くことができるでしょう。

その一つの方法に「お客様会議」というものがあります。

これは、何人かのお客様に集まっていただき、お店の評価をしてもらう、というものです。

このメンバーを集めるには、店頭で募集案内をします。

チラシを作ってもいいです。

そして、この会議のメンバーには、少しばかりの報酬を差し上げるといいでしょう。


メンバーが決まったら、一同に集まって会議を行います。

お店のいい所、悪い所を、ざっくばらんに話し合ってください。

主なポイントは、「品揃え」「価格」「接客」「お店のイメージ」「その他サービス」です。

すると、お店にとって耳の痛い話も出てくるでしょうが、それが狙いでもあります。

会議の中から、きっとお客様の数が減っている原因が見えてくるでしょう。


原因が分かれば、改善します。

また、逆にお店のいい所も明らかになります。これが「お客様会議」です。

◆ お客様を訪問する

お客様から意見を聞くために、もう一つのいい方法があります。

それは、「ご近所訪問」です。これは、お客様会議より手間ひまがかかります。

そのかわり、お客様の数も増えるという方法です。


この「ご近所訪問」では、お店を中心に、半径500m以内のお宅を一軒一軒訪問します。

訪問時にはイベントのチラシやお店で使える金券を持っていくと良いです。

イベントへのお誘いをしながら、金券で来店を促せばどうでしょう。

そして、その時、簡単なアンケートにお答えしていただき、お店の評価などを聞きます。


調べる項目は、

「家族構成」

「自店での購入経験の有無と商品」

「自店の品揃えについて」「自店のサービスについて」

「自店の価格について」

など、数分で回答が終わるような内容にします。

◆ ご近所訪問で客を増やす

このご近所訪問は、お店の評価や要望が分かるだけでなく、お客様の情報も集められます。

その上、500m商圏の中で、どの位の割合の人がお店に来ていただいているかも分かります。

自分の足による商圏調査です。

もしかしたら、こんなにたくさんのお客様を逃していた、という結果が出るかもしれません。


いずれにしても、直接お客様とお話しすることで、お店に来ていただくきっかけができます。

お店に対する意見も聞けて、お客様のことも分かり、来店のお願いもできる。実に、いい方法ではないでしょうか。

実際に、社長自ら自転車でご近所訪問をしているお店があります。

そのおかげで、お客様の数が3倍になったそうです。


ぜひ、何かのイベントを企画して、ご近所周りをしてみてください。

もちろん、何店舗かお持ちのお店は、その店舗ごとに実行します。

お客様の数が増えて、儲けにつながることでしょう。

編集後記

卸業も製造業も、取引先(お客様)を増やすことが、売上につながります。

下請けメーカーだって同じです。

ご近所訪問は出来なくても、商圏内の企業を訪問することは出来ます。

また、「取引先会議」や「消費者会議」を行うことは、効果的です。

市場の実際の声を聞いてニーズが把握できれば、正しい戦略が打てるでしょう。


(文責:経営士 梅本泰則)

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