お客様のクラス分け
2022/2/15配信
「儲かる会社になるヒント No.7」
テーマは「お客様のクラス分け」。
今回は、小売業やサービス業の話です。
とはいえ、それ以外の会社にもこの「考え方」は応用できます。
そのことを意識してお読みください。
お客様のクラス分け
◆ ポイントシステムの目的
いろいろな小売店や飲食店で「ポイントシステム」が導入されています。
何かを買えばポイントが貯まる仕組です。
ネットで新幹線やホテルを利用しても、ポイントが貯まります。
あなたも、毎日ポイントシステムを利用していることでしょう。
では、お店や企業は、いったい何のためにポイントシステムを導入したのでしょう。
お客様を固定化するためでしょうか。
リピーターを増やすためでしょうか。
他店との差別化を図るためでしょうか。
そもそも、このポイントシステムは、航空会社の「マイレージサービス」の成功に端を発しています。
飛行機の搭乗距離に応じてポイントが貯まり、そのポイントに応じて利用客へのサービスが行われるというものです。
代表的なものに、「航空チケット」に交換できたり、座席を上級クラスに「グレードアップ」できたりするサービスがあります。
実に良くできたシステムです。
頻繁に飛行機を利用する人は、このシステムによって利用航空会社を一つに決めてしまっていることでしょう。
こうしたシステムを真似て、企業や商店がお客様の固定化を狙ったとしても不思議ではありません。
◆ マイレージサービスとの違い
ところが、航空会社の「マイレージサービス」と通常の「ポイントサービス」では、決定的に違っている点があります。
それは、通常の「ポイントサービス」は、お客様を「平等」に扱っていることです。
つまり、購入金額に応じてポイントを与えるだけですから、どのお客様に対してもサービス内容は同じということになります。
一方、航空会社のマイレージサービスは違います。
確かにマイレージのポイントを与えるところまでは、「平等」です。
しかし、その後が違っています。
航空会社は、獲得ポイントによってお客様を「クラス分け」するのです。
搭乗距離や搭乗頻度によって、特別な会員になることができます。
特別な会員になると、それこそ特別待遇です。
例えば、空港での豪華な専用待合室が使い放題です。
ドリンクも食べ物も無料です。
搭乗機内でも何かと親切にしてくれて、何だか自分が一流企業の役員にでもなったような気にさせられます。
その他にも、たくさんの特典がありますが、とにかく、特別会員とそうでない乗客との扱いに、「格段の差」があります。
◆ お客様をクラス分けする
ここが重要なのです。
通常のお店の「ポイントサービス」は、この点を見落としています。
購入金額や購入回数によってお客様を「クラス分け」することが大切なのです。
そうすれば、マイレージサービスの会員のように特別待遇をされたお客様は、お店に対するロイヤルティーを、より一層感じることになります。
そして、特別会員でないお客様は、特別待遇を求めてせっせと商品を買ってくれることでしょう。
メンバーカードを作って、購買データが記録できるようにすれば、管理は簡単です。
また、それが出来なくても、昔ながらのスタンプカードでも、この考え方は十分に活用できます。
実際に、そうしたクラス分けをして成功しているところもあるのです。
そこでは、購入金額が増えるほど割引率があがります。
また、通常のお客様とは違った特別な商品も案内されます。
それが目的で、そのお店に足を運ぶお客様も多いようです。
是非、お客様をクラス分けすることを考えてみてはいかが。
編集後記
小売業や飲食業でなくても、一般消費者を相手にしているならば、クラス分けは効果的です。
また、BtoBの企業ならば、購入金額だけでなく顧客の経営姿勢とか社会的貢献度を考慮にいれたクラス分けをしても良いのではないでしょうか。
成長性、収益性、革新性といったことも、判断材料になるかも。
魅力のある特別待遇が与えられれば、今まで以上に取引が増えることでしょう。
(文責:経営士 梅本泰則)