見るのは昨年対比ではなく目標比
2020/4/7配信
「コンサルの現場 No.5」
皆さんは、ネットショップのコンサルティングをすることも多いでしょう。
デジタルマーケティングを駆使して売上を上げるのは、一つの流れです。
とはいえ、そんな最新の手法に頼らなくても、結果は出せます。
いったいどんなことをしたのでしょうか。
見るのは昨年対比ではなく目標比
◆ ネットの売上を上げたい
創業60年のお店から、ネット販売を強化したい、というご相談がありました。
そのお店はすでに楽天に出店をしていて、年間2,200万円の販売実績です。
これを1年後に4,000万円にしたいという希望です。
ほぼ倍増計画です。
何か根拠や戦略があるのでしょうか?
◆ 販売データを見て、サイトの作り直し
そこで、私が最初に提案をしたのは、ネットショップへの出品数を減らすことでした。
先方は「?」という表情です。
私は尋ねました。
「一年間で最も売れた商品は何ですか?」
すると、「○○だと思う」との返事。
しっかりとした販売データを掴んでいません。
早速データを作成してもらいます。
案の定、意外な商品が売れていました。
そして、3,000点の出品のうち、実際に売れたのは800点のみ。
こうしたことは、よくあります。
すぐにサイトの作り直しにかかり、1年間1個も売れなかった1200点の商品をサイトからはずします。
実際に売れている商品に絞り込んで、紹介をしていきます。
そして、サイトにお客様の姿が見えるようにしました。
「お客様の声」や「役立ち情報」のページを追加していきます。
◆ 月別販売計画表の作成
徐々に効果が出始めて、売上も伸びていきます。
そして、月別の販売計画表を作って、毎月販売実績との照合を行います。
目標を達成するために何をしたらいいか、やるべきことを決めます。
販売目標が昨年の倍の数値ですから、達成するのは簡単ではありません。
目標に達成しない月には「前年の数字よりは伸びているから良いでしょう」と同意を求められます。
なるほど、今までそうして売上や利益を管理してきたのですね。
そこで、私は販売計画表の中から昨年実績の数字を消すようにお願いをしました。
あくまで、目標値に対する達成度を考えてもらいます。
◆ 売上が1年後3倍、2年後5倍に
先方には、少しつらい方法だったかもしれません。
しかし、そのおかげで、何と1年後には6,000万円の売上が出来てしまったのです。
利益も計画以上に出ました。
それはもう、お店もビックリです。
昨年対比ではなく、目標比で考える習慣が身に付いたからでしょう。
もちろん、サイトの修正や、お客様とのコミュニケーションなど、必要と思われることは数多く実行しました。
そして2年後、そのお店は年商1億円を達成したのです。
コツをつかんだのでしょう。
つまり、この事例から言えることは、昨年対比で考えるのではなく、目標比で考えると計画が達成しやすい、ということです。
編集後記
もちろん、このお店のホームページの内容も、重要なポイントです。
マーケティングの基本が押さえられています。
それはどんなことでしょうか。
本文の中から探してみてください。