この会社で働けて良かった
2024/1/9配信
「儲かる会社になるヒント No.40」
テーマは「この会社で働けて良かった」です。
中小企業の給与は、決して高くはありません。
2023年中小企業白書によれば、2021年の中小企業平均給与は25万6千円です。
大企業のそれは30万2千円ですから、約15%の開きがあります。
給与は高いに越したことはありませんが、従業員の皆さんにとっては、給与だけが働き甲斐につながるものではないでしょう。
この会社で働けて良かった
◆ 給料を上げる
先日、大企業に勤める方と話をしていましたら、「小売店さんの給料は安過ぎます。もっと上げれば頑張って働くでしょうに」と言っておられました。
あなたは、このご意見について、どう思われますか?
もちろん、どの経営者も出来る限りたくさんの給料をあげたいと思っておられることでしょう。
しかし、考えてみてください。
給料を上げたら、今以上に頑張って仕事をしてくれるでしょうか。
確かに、給料が上れば嬉しいです。しばらくは頑張ってくれます。
でも、その「しばらく」が過ぎると、以前の状態に戻ってしまうのが普通です。
必ずしも、給料をあげることが「満足」や「やる気」にはつながりません。
なぜなら、上った給料に慣れてしまったら、またそれより多い金額を望むようになるからです。
どこまでいってもキリがありません。
では、どうしたら頑張って働いてもらえるのでしょう。
◆ 頑張って働いてもらうための3点セット
もちろん給料も大きな要素ですが、それ以外にも眼を向ける必要があります。
従業員の人たちは、本当に給料のためだけに働いているのでしょうか。
そんなことはないはずです。
人は誰でも自分のことを大事にしています。
そして、意識はしていないかも知れませんが、社会のためになる一員でありたいと思っています。
ですから、仕事を通じて「社会の役に立っている」と思えたらどうでしょう。
「お客様を幸せにしている」と思えたらどうでしょう。
きっと気持ちよくなるに違いありません。
そうなんです。誰でも、自分の「社会的価値」が認められれば、嬉しいはずです。
一度、そのことについて考えてみてください。
そして、この「社会的価値」を感じてもらえる簡単な方法があります。
それは、「認める」「ほめる」「感謝する」の3点セットです。
たとえば、「さすがです」「よくできました」「ありがとう」、言葉はいろいろあります。
従業員の方が何かをしたときに、一声かけてあげましょう。
それだけのことで「役に立っている」と感じてくれるはずです。
◆ 従業員に「満足」をしてもらう
さらに、3点セットの他に、もう一つあります。それは、「まかせる」ということです。
まかせる中身は何でも良いです。
「仕入をまかせる」「整理整頓をまかせる」「商品管理をまかせる」「ウエブサイトの運営をまかせる」「商談をまかせる」。
従業員の人たちのレベルや得意なことに合わせて、まかせます。
きっと、眼の色が変わってくるでしょう。
そして、実はこの4つのことを行うのには、もっと深い意味があります。
それは、従業員の人たちに「この会社で働けて良かった」と思っていただくことです。
これは、給料からだけでは感じることの出来ない思いです。
「認めて、ほめて、感謝して、まかせる」という行為がそんな気持にさせます。
その結果、従業員の人たちの「満足」につながっていきます。
そうすれば、きっと頑張って働いてもらえるのではないでしょうか。
1人でも多くの人に「この会社で働けて良かった」と思っていただけると良いですね。
編集後記
政府は企業に「賃上げ」を求めています。
物価が上昇しているからという理由です。
これでは、大きな賃上げにはつながりません。
給料を上げるのなら、本人が驚くほど上げることです。
そうすれば、「この会社で働けて良かった」と思ってくれることでしょう。
そのためにも、経営者は必死で儲けなくてはなりません。
(文責:経営士 梅本泰則)