AIDMAの法則
2020/9/29配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.13」
今回ご紹介するのは「AIDMAの法則」です。
AIDMAの法則
◆ AIDMA(アイドマ)の法則とは
AIDMAの法則は、1920年代に米国の経済学者ローランド・ホールが提唱した消費者行動の心理プロセスの法則です。
古い理論ですが、今でもマーケティングや広告などの世界で活用されています。
この法則によれば、消費者は商品を認知してから購入に至るまで、5つの心理的プロセスを経ることになります。
それは、
「Attention(認知)」
「Interest(興味)」
「Desire(欲求)」
「Memory(記憶)」
「Action(購入)」
というプロセスです。
つまり、商品の発見によって認知し、興味を覚えたら欲しいという気持ちが高まる。
そこで強く記憶に刻み込まれ、売場やネットで見かけたときに記憶が呼び起こされて購入に向かう、というわけです。
ですから、このプロセスに沿って戦略を打ち出していけば、消費者は行動に移りやすいということが言えます。
そこで、5つのプロセスごとのポイントを考えてみましょう。
◆ 5つのプロセスの戦略
1.Attention(認知をする)
この段階では、広告や販促物や口コミなどによって、一人でも多くの消費者に知ってもらうことが必要です。
「これは何だ?」と思わせることがポイントとなります。
2.Interest(興味を持つ)
商品を知ってもらったら、次は興味を持ってもらわなくてはなりません。
そのためには、商品が持つ価値を伝えることです。
例えば、「有名人が使っている」とか、「効果がありそうだ」といったことを伝えて、商品の価値を訴えます。
3.Desire(欲しいと感じる)
商品に興味を持っても、その商品を欲しいと思ってもらえるわけではありません。
この段階では、この商品が「消費者に必要な理由」を訴えたり、「類似商品との違い」を伝えたり、商品を買うことによって「得られるメリット」を明確にしたりすることが必要になります。
4.Memory(記憶する)
興味を商品が欲しいと思っても、実際に購入に至るとは限りません。
人は、忘れてしまうからです。
ですから、消費者に頻繁に商品のことを思い出してもらう必要があります。
方法としては、広告宣伝やメールでの案内などを継続していくことです。
5.Action(購入する)
いよいよ最後のステップです。
消費者は商品のことを記憶にとめても、本当に買うべきか悩みます。
買って後悔しないかとか、買う手続きが面倒だとか、今すぐ買う理由がないとか、さまざまなことを考えるのです。
ですから、購入後の不安を取り除く方法を提供したり、買い方や買う場所の情報を伝えたり、今買わないと損だというような訴え方をしたりする戦術が要ります。
こうした消費者の心理的プロセスにうまく対応できれば、商品が売れていくというわけです。
編集後記
インターネットが発達して、デジタルマーケティングが盛んになってきたことで、消費者の購入プロセスも、AIDMAだけでは説明できなくなってきました。
そこで、AISAS(アイサス)という行動プロセスが登場。
2つのSは、Search(検索する)とShare(情報共有する)のことです。
マーケティング戦略もそれに対応していく必要がありますね。