店舗の改装を成功させる
2020/11/3配信
「コンサルの現場 No.15」
小売店にとっては、店構えも大切な要素です。
したがって、常に店舗の内装・外装に気を配る必要があります。
とはいえ、改装には大きな費用がかかることが多いです。
そこで、店舗改装の勝負に出た小売店の事例を紹介します。
店舗の改装を成功させる
◆ 改装をしたい
よほど資金が潤沢でない限り、小売店が店舗を改装することは少ないです。
もちろん、店内の什器の一部を新しくしたり、看板を書き換えたりすることはよくあります。
しかし、全面改装ともなると、10年~20年に一回ということもあるでしょう。
そんな中、一つのお店が全面改装をしたいというご相談に来られました。
10年振りの改装と言うことです。
売場面積50坪のお店ですから、かなりの改装費用がかかります。
よく思い切られました。
改装にあたって、まずは改装スケジュールを決めていきます。
建築や設備は店主の知り合いが請け負う手はずです。
内外装のデザインは、専門のデザイン会社に依頼しました。
改装後の売上を増やしたいのは当然です。
そのための戦略・戦術を考えなければなりません。
閉店セールや新装オープンのイベントを考えるだけではダメです。
そこで、この機会にあらためてお店の方向を考えていただくことにしました。
◆ お店の方向
まず、「なぜこの商売を始められたのか?」
そして、「なぜこの商売を続けているのか?」ということから入っていきます。
今まで、そんなことを真剣に考えたことはありません。
店主は一生懸命にその答えを考え、見つけました。
次に「将来はどんな店になりたいのか?」というテーマです。
将来についても、漠然としか考えていませんでした。
今回これも何とかひねり出すことが出来ました。
いわば、この二つは「経営理念」です。
そして、その次に「買っていただきたいお客様は、どんな人か」ということを明確にしていただきました。
それも具体的にです。
実は、長年商売をしていると、お店が相手にしているお客様が絞り切れなくなっていきます。
すると、あれもこれもと商品をそろえてしまうことになります。
お客様が絞り込めたら、販売する商品は、自然と決まってきます。
◆ 改装オープン
問題は、どんな方法で販売をしてお客様に喜んでいただけるか、ということです。
会員サービスや、店頭イベントなど、あれやこれやと知恵を出していきます。
これも明確に方針を決めて、ご相談から3ヶ月後に見事オープンです。
このお店にとって、今回の改装は足元を見直す良い機会になりました。
自分のお店の方向が明確になり、今まで以上に意欲的に商売に取り組んでおられる様子です。
そして、改装から一年後、売上や利益は順調に伸びて目標を達成しているというご報告をいただきました。
この先、改装の投資以上の成果を上げるべく、さらに努力をされるでしょう。
編集後記
今回の事例は小売業ですが、「方向性を明確にする」というのは、どんな企業にとっても重要なことです。
そこをしっかりと抑えるのが、コンサルティングのキモでもあります。
それがうまく行けば、半分以上成功したも同然です。