会社の強み発見会議
2021/1/26配信
「コンサルの現場 No.19」
会社の経営方針を決める時に、SWOT分析を行うことが多いでしょう。
そこでは、会社の強み弱みが明らかにされていきます。
この作業を、経営陣ではなく社員の人たちで考えてみてはどうでしょう。
そんなコンサルティング法をご紹介します。
会社の強み発見会議
◆ 強み弱み発見会議
コンサルティング先の会社に、「会社の強み弱み発見会議」をしていただくことがあります。
社員の人たちが集まって、会社の強みと弱みを出し合うという会議です。
会議の進め方は先方にお任せしますが、方法はお伝えしておきます。
会議に集まった社員全員に白紙の用紙を配り、それぞれ、まず会社の「強み」を箇条書きで出していきます。
一人に付き30個以上出していただくことが大切です。
それが終わったら、次は会社の「弱み」です。
これも各30個以上書き出してもらいます。
集まった社員が10人ならば、強みも弱みもそれぞれ300個以上出されることになります。
◆ グループ分け
この会議は結構ハードですが、社員の皆さんが会社の強みや弱みを真剣に考える機会になりますので、とても意味のある時間です。
次に、各自が書き出した「強み」「弱み」を、いくつかのグループに分けます。
例えば、販売力、企画力、商品力、サービス、価格、組織力、経営陣、従業員、情報発信力などといった項目です。
その後、グループ分けした強み弱みの内容を一覧にして皆さんに知らせます。
ここで、「そうだ、こんな強みもあった!」と気がつく人もいます。
「弱みは、自分たちの姿勢にも問題がある」と反省する人もいます。
経営者にとっても、社員の考え方がよく分かるきっかけにもなりますので、今後の運営に大きな参考となります。
◆ 方向性の共有
「強み・弱み発見会議」は、これで終わりではありません。
知らされた「強み」の中で、重要だと思う項目を各自5個ずつあげてもらいます。
そして、あげられた中からベストなものを話し合いで5個から10個に絞り込み、それを会社の方針として掲げると良いです。
「弱み」も同じようにワーストなものを5個から10個選びます。
それを会社の改善項目として、改善方法を話し合ってはどうでしょう。
これで「強み・弱み発見会議」は終了です。
この会議を行った後は、皆さんのやるべきことがはっきりとします。
会社の方向性も共有できます。
ちょっと大変ですが、会社の方向性と課題を明確にする良い方法です。
編集後記
この会議は、ポストイットを使って行う方法もあります。
「強み弱み」を箇条書きにするのではなく、ポストイットに1個ずつ書き出し、ホワイトボードに貼り付けていくという方法です。
その場合も、グループ分けした一覧表を作ると、進行がスムーズになります。
機会があれば、試してみてください。