ベンチマーキング法
2021/4/27配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.23」
今回ご紹介するのは「ベンチマーキング法」です。
ベンチマーキング法
◆ ベンチマーキング法とは
経営者が「当社は〇社をベンチマーキングしている」と言うことがあります。
何のことでしょう。
「ベンチマーキング法」とは、他社の最も優れた点(ベストプラクティス)をベンチマーキングして、それを参考にする経営管理法の事です。
そもそも「ベンチマーク」とは、靴職人が客の足を測る時に使われました。
足をベンチに乗せ、その形をなぞってマークを付けたことに由来しています。
それが転化して、現在の経営では「基準」という意味で使われているのです。
ベンチマーキング法では、他社のベストプラクティスを自社と比較検討します。
そのギャップを埋めていくことで、改善や成長が早くなるのです。
ベンチマーキング法は、そうした経営改善や変革を進めることを目的とします。
◆ ベンチマーキング法の種類
ベンチマーキング法は、その対象によっていくつかの種類があります。
1)競合ベンチマーキング
自社と競合関係にある他社事例を比較対象にする手法です。
一般的に「ベンチマーク」という場合は、競合ベンチマーキングを指します。
競合他社の優れた経営手法を参考にして、自社の経営改善を図ります。
2)機能ベンチマーキング
自社とは異なる業界の他社事例を参考にする手法です。
競合ベンチマーキングでは発見できない要素を取り入れることが出来ます。
3)内部ベンチマーキング
企業内で類似する業務を比較し経営改善を図る方法です。
異なる部署やグループ間で優れた事例を分析し、社内全体で共有します。
◆ ベンチマーキングの手順
ベンチマーキング法の手順は一定ではありませんが、一例をあげます。
1)自社の現状分析
顧客や競合他社に対する自社の強みと弱みを客観的に分析します。
2)ベンチマーク対象の選定
弱みや問題点を改善するために必要な要素、例えば経営手法や業務プロセスなどを踏まえて、競合他社や他業種の企業をベンチマークとして選定します。
3)ベンチマーク対象の分析
ベンチマーク対象企業の成功要因や、自社が不足している部分を抽出します。
4)現状の改善
ベンチマークした優良事例を自社に取り入れ、経営改善に活かします。
5)ベンチマーキングの効果測定
ベンチマーキングで実行している施策の効果を定期的に測定します。
業務の変革には、経営者の強力なリーダーシップや継続的な効果測定が必要です。
当然、どこの会社をベンチマーキングしているかを、関係者に伝えておく必要があります。
編集後記
このベンチマーキング法は、経営者だけでなく一般社員や営業マンにも有効です。
例えば、社内で出世の速い人や営業成績の優れた社員をベンチマーキングします。
すると、自分とのギャップが見えてきますから、そこを埋める努力をすることによって、昇進したり成績が上がったりすることになります。
応用範囲の広い方法ですね。