メラビアンの法則
2021/8/10配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.28」
今回ご紹介するのは「メラビアンの法則」です。
メラビアンの法則
◆ メラビアンの法則とは
この法則は有名ですから、知っている方も多いでしょう。
アメリカの心理学者である、アルバート・メラビアンが1971年に提唱しました。
「3Vの法則」とも、「7‐38‐55ルール」とも言われます。
人から受ける「印象」の割合を、数字で示したものです。
それによると、人から受ける印象は、55%が視覚的(Visual)なものから、38%が聴覚的(Vocal)的なものから、7%が言語情報(Verbal)から受ける、ということになっています。
ということは、言葉で一生懸命伝えるよりは、見た目を良くし、話し方や声の調子に気を配った方が、相手にいい印象を与えることが出来そうです。
ですから「中身より見た目が大事」と解する人もいます。
しかし、これはメラビアンの法則の誤解です。
◆ メラビアンの法則の誤解
メラビアン自身も、こうした間違った解釈に対して嘆いています。
この法則は、あくまで「感情を伝えるときに受け手が感じるインパクト」を調べたものです。
一般的なコミュニケーションにおける影響を表わしたものでありません。
しかも、話の内容がどうでもいいと言っているわけでもありません。
あくまで話の中身が重要だという前提に立っています。
なぜなら、相手に話を正確に伝えるには、正しい言葉を使う必要がありますし、話の順序・構成も重要だからです。
メラビアンの法則が言っていることは、話し手の感情を伝えるときには、その表情や身振りなどの視覚情報が大きな働きをするということに他なりません。
そして、次に大きいのが、声の抑揚や間のある話し方、リズム、声の調子といったことだということです。
決して身だしなみを良くするのが良いと言っているのではありません。
◆ うまくコミュニケーションをとるために
そこで、このメラビアンの法則から、相手とコミュニケーションをとる時に必要なことが見えてきます。
例えば、
1.無表情で話さない
2.原稿を棒読みにして伝えない
3.伝わる「言葉」を使う
といったことです。
これは、まるでどこかの国の誰かのことのようですね。
また、最近ではオンラインによる会話が増えています。
これが結構「疲れる」とは感じませんか。
オンラインでは、お互いのしぐさや表情がよく分からないからです。
コミュニケーションには「視覚」が必要だということが、よく分かります。
いかがでしょうか。
要するに、相手に気持ちや感情を伝えるには、言葉だけでなく、話の内容に合った表情や話し方が重要だということを、この法則は教えてくれています。
メラビアンの法則を意識しながら、コミュニケーションを取りましょう。
編集後記
経営コンサルタントにとって、コミュニケーションは重要な要素です。
ですから、「話し方」や「傾聴」の訓練もします。
もちろん、話の組み立て方も学んでいます。
これが上手いコンサルタントは、きっといい仕事をしているに違いありません。