即時業績向上法
2021/8/24配信
「コンサルの現場 No.29」
経営者は、忙しいものです。やることが一杯あります。
その間に、問題の本質が見えなくなってくることもあるでしょう。
今回は、そんな経営者からの相談です。
即時業績向上法
◆ 会社を留守にしないで!
頑張っているのに、なかなか業績が上向かない会社があります。
そんな会社の経営者からご相談がありました。
「社員から、そんなに外にばかり出かけるな、と責められています」
とのことです。
経営者というものは、取引先との交渉に出かけることもあります。
商工会や組合の集まりに顔を出すこともあるでしょう。
外に出る機会は多いのです。
このご相談に対し、私はピンときました。
経営者は、きっとこう思っています。
「会社のために外に出かけているのに、どうして社員は分かってくれないのだろう」と。
そうです。
社員が自分のことを分かってくれないのが不満なのです。
◆ 問題の本質
そこで、私はこう答えました。
「問題の本質はそこではありません。
社員の皆さんは、今の業績に不安を持っています。
ですから、あなたに一刻も早く会社の現状を救ってほしいと切望しているのです。
そして、早く適切な一手を打ってくれ、と叫んでいます。
外に出るなというのは、そのことを言っているのです」。
つまり、今この経営者がやるべきことは、社員に理解を求めることではなく、早く有効な手を打つことなのです。
では、そんな手はあるのでしょうか。
あります。
私は「即時業績向上法」についてアドバイスしました。
「即時業績向上法」は、これを行えば、かなりの確率で早い時期に業績が向上する方法です。
これにはいくつかの方法がありますが、今回は「売上上位品徹底販売法」についてお伝えしました。
◆ 業績の回復
簡単に言えば
「今よく売れている商品を徹底して売る」
ということです。
例えば、売上の上位の商品の中で、昨年より20%以上販売が伸びているものはないでしょうか。
また、この3か月間で急に売上が伸びてきた商品はないでしょうか。
これが「今売れている商品」です。
これらの商品を売ることは、むつかしいことではありません。
きっと、早期に売上が回復してくことでしょう。
ただし、この方法は緊急避難的な方法でしかありません。
本当に業績を回復させるためには、社員の皆さんと会社の方向性を共有することが必要です。
そして、しっかりとした販売戦略を立てることです。
それが出来れば、問題は解決されて行きます。
そんなアドバイスを差し上げたところ、経営者は納得されたようです。
その後、「即時」ではありませんが、徐々に業績が回復していきました。
編集後記
経営者というのは難しいものです。
将来のことも考えなければなりませんし、目の前のことにも対処しなければなりません。
この2つのことは、矛盾を生じることもあります。
それでも、経営者は乗り越えて進んでいくしかありません。