日本経営士会中部支部

2022-04-19

社員を育てる「まほう」

2022/4/19配信


「儲かる会社になるヒント No.10」


テーマは「社員を育てる『まほう』」。

年度も新しくなって、新入社員も入ってきたことでしょう。

また、新しい部署に配属され、張り切っている社員も多いことでしょう。

その人たちを育てることも、会社には必要なことです。


社員を育てる「まほう」

◆ まほうの法則

あなたは、社員を育てることは難しいことだと思ってはいませんか?

実は、「まほうの法則」を使えば、うまく社員は育ちます。

この「まほうの法則」とは何でしょうか。

それは、「まかせる、ほめる、うつす」という法則のことです。

つまり、社員に仕事をまかせ、その仕事ぶりをほめて、あなたの経験や知識や技術をうつす、ということをすれば、社員が育ちます。


例えば、新入社員が入って来たら、すぐに営業をまかせてみてはいかがでしょう。

新人社員はとまどいながら、そして苦労しながらだんだん営業力がついていきます。

その動きを見ながら、機会があるたびにほめてあげることです。

「うまくなったね」「センスが良いね」「よくやっているね」「助かっているよ」

こんな一言で、新入社員は報われます。

◆ うつす

その次は「うつす」です。

あなたが経験したことや学んできたことを伝えてあげましょう。


例えば「メーカーさんのカタログを隅々まで読むと、商品知識がもっと増えるよ」「あのお客様はN社の商品が好きだよ」「お客様のクレームには、こんな方法で対応するといいよ」とか、新入社員が困っていそうなことに対して、ちょっとしたヒントやコツを移し伝えるのです。

まかせられた仕事に苦労をしているときですから、アドバイスがすんなりと入っていきます。

しかも、ほめられた後なので気分が良いです。すなおに言葉が入っていきます。

そうすれば、新入社員も早く成長するでしょう。

◆ 次の段階

そして、その新入社員が仕事に自信がついてくると、今度は技術を習得する時期が来ます。

企画書作成とか、上手なエクセルの使い方とか、仕事に必要な技能です。

このときも「まほう」を使います。まずは、まかせてやらせてみます。

本番ではなく練習です。当然、最初からはうまくいきません。それでも、ほめます。

そして、自分の技術を教えて、移します。

それをくり返しながら、もう大丈夫だと思ったときに、本番をまかせましょう。

そして、その後も「まほうの法則」を繰り返します。

やがて、あなたの腕を上回ってしまうかも。

◆ 管理職を育てる

さて、重要なのが管理職を育てることです。

この場合は、計画的に「まほう」を使うと良いでしょう。

管理職がやるべき仕事は、山のようにあります。

「販売計画の立案」「計数管理」「取引先との交渉」「部下の育成」など。

管理職候補の社員に、これらを少しずつまかせていきます。

そして、その仕事ぶりを見ながらほめてあげます。ほめことばは簡単で良いです。

それと同時に教えられる手法やノウハウがあれば、すぐに移します。

やがて権限を移していくことも必要です。


いかがでしょうか。これが、社員を育てる「まほうの法則」です。

もう以前のように、見て覚えるとか、頭ごなしに厳しく教える時代ではありません。

社員の育て方も変えていくことです。

そして、実はこの「まほう」、さらに良いことがあります。

「まほう」を使うことで、あなた自信も成長します。それこそ、魔法のように。

編集後記

社員の育て方は、会社によってさまざまです。

研修をしたり、OJTを行ったり、そこには経営者の考えが現れてきます。

その手法はどうあれ、大切なのは教える側の人間力です。

ですから、それぞれの人間力を磨くことも、会社は大切にしなければなりません。


(文責:経営士 梅本泰則)

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