日本経営士会中部支部

2022-05-24

カーボンニュートラル要望への対応

2022/5/24配信


「続・コンサルの現場 No.12」

カーボンニュートラル要望への対応の話です。


カーボンニュートラル要望への対応

◆ カーボンニュートラルとは

先日、ある中小企業の社長から、大手取引先よりカーボンニュートラルに対応するよう要望があり、何をすべきかと問い合わせがありました。

このカーボンニュートラルというのは、地球温暖化防止のため、企業活動により発生している温室効果ガス(主に二酸化炭素)をゼロにするということです。

世界的には今世紀末、日本では2050年までの目標があり、各企業がそれに対応するため、それぞれの指針や目標を掲げています。

トヨタ自動車は、2035年までにカーボンゼロ目標にしており、そのサプライチェーンにその要望がきているものです。

◆ 基礎データの把握

そこでまず、その中小企業の社長にいくつかの質問をさせていただきました。

  1. 毎月の電気量は、把握していますか?(電気代費用でなく)
  2. 毎月の残業時間は、把握していますか?
  3. 毎月の社用車に消費しているガソリン量(経費ではない)は、把握していますか?
  4. 社内の照明は、全てLED又は省エネタイプとなっていますか?
  5. 製造工程の装置や機械は、省エネタイプとなっていますか?
  6. 各種照明は、人感センサー付きとなっていますか?

実は、これらの質問をすると、そのデータを把握していない場合が結構あるのです。

先ずは、これらを点検やデータの現況を調べ、集計することから始めます。

◆ カーボンニュートラル計画

次にそれぞれの二酸化炭素排出量を減らすにはどうするか検討するのです。

例えば、再生可能エネルギー電力使用、太陽光パネルの設置、省エネルギータイプの設備への変更、EV自動車の導入、生産効率の見直しや改善などです。

そして、そのカーボンニュートラル達成すべき計画を経営計画書に盛り込み、作成します。

また、省エネタイプの設備や機械を変更するには、経済産業省の補助金活用の検討もしておくべきです。

更に、その二酸化炭素を減らすカーボンニュートラル計画書は、一年ごとPDCA(計画する、減少させる、その効果を把握、更に減少方法を検討)によって進めて行きます。

国連が掲げている持続開発目標、SDGsの13番目に「気候変動に具体的取組を」がこのカーボンニュートラル目標に合致し、成果を出していけばSDGs目標にも貢献することにもなるのです。

このカーボンニュートラルは、地球が生き残る、つまり人類が持続的に生き残れるようにすることになります。

編集後記

SDGsは、地球や人類が存続して行くための目標を掲げた17目標ですが、今回の「気候変動に具体的取組を」については、生物が生き残っていけるかどうかの瀬戸際なのです。

ある日、突然、大きな気候変動現象になることも危惧しておかねばなりません。

ですから、人類が争っている場合ではないのです。


(文責:経営士 三品富義)

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