日本経営士会中部支部

2022-06-21

排除したい4つの毒

2022/6/21配信


「儲かる会社になるヒント No.13」

テーマは「排除したい4つの毒」。


渋沢栄一は「論語」を経営の基本に置いていました。

また、松下幸之助は「素直な心」を説いています。

成功した経営者には、「心」の面を重視した人物が多いです。

経営理論や経済性だけが経営の中心ではありません。


排除したい4つの毒

◆ 3つの毒

経営は、ノウハウやテクニックだけではうまくいきません。

「心」の持ち方も大きく影響します。

例えばこんなことを思うことがありませんか?

「あの会社ばかりが成長して、うらやましい」

「わけの分からないクレームを言われて、腹が立つ」

「もう少し社員がしっかりしてくれたらいいのに」。

これは、いわゆる「3つの毒」です。


中山正和氏の著書「洞察力」によれば、仏教では「3つの毒」が説かれているとあります。

その「3つの毒」とは、「ねたむ、怒る、愚痴る」ことです。

この3つは、良い人生を歩めないとか、仕事がうまくいかない、といったことにも結びついていきます。

ですから、幸せになりたいとか、良い会社にしたいと思えば、「ねたまない、怒らない、愚痴らない」ことが必要なのです。

この3つの毒を無くせたら、きっと会社の経営も、もっとうまく行くことでしょう。

◆ 4つ目の毒

そして、私はこの3つの毒に加えて、さらにもう一つの毒があると思っています。

それは、「悪口を言う」ことです。

今まで、こんなことを言ったことはありませんか?

「あの営業マンは、約束を守らない」

「あの会社は、値段競争ばかりしている」

「親会社は、こちらの事情をよく分かっていない」。


思い出してみれば、知らず知らずのうちに、悪口を言っていることでしょう。

この悪口は、プラスのエネルギーを発することはありません。

むしろ、マイナスの効果のほうが高いです。

先の、3つの毒も同じことです。

ねたみ、怒り、愚痴は、プラスの効果をもたらしません。


とはいえ、他人よりも優れていたいという欲望があるでしょうし、スゴイと認められたいと思うものです。

さらには、今以上に裕福になりたいと思う人も多いでしょう。

ですから、ねたみ、怒り、愚痴、悪口が現れてくるのです。

ここに、人間の弱さがあります。

では、この毒を排除するにはどうしたらいいでしょう。

◆ 4つの毒を排除する方法

一番いいのは、「ねたまない、怒らない、愚痴らない、悪口をいわない」と決めることです。

しかし、なかなかそうはうまく行きません。

ついつい、ねたみ、怒り、愚痴、悪口が口をついて出てきます。

口に出なくても、頭に浮かんできてしまいます。

どうしたら良いでしょう。

それは、ねたみ、怒り、愚痴、悪口が頭に浮かんできたら、出来るだけ早く打ち消すことです。

そして、口に出てしまったら、すぐに忘れるように努力します。

それらの思いや言葉を引きずらないことです。

これは、心がけ次第で出来るのではないでしょうか。


そして、もっと良い方法があります。

それは、4つの毒ではなく、4つの薬を使うことです。

4つの薬とは「ほめる、感謝する、喜ぶ、認める」です。

「あの会社の戦略は素晴らしい」

「お客様のご指摘はありがたい」

「元気な社員のおかげだ」

「この商品の機能は最高だ」。


このような言葉を、たくさん発していれば、4つの毒も薄まっていきます。

ついには、なくなってしまうかもしれません。

これなら出来そうです。

ぜひ4つの薬で儲かる会社になっていきましょう。

編集後記

4つの毒は、会社経営だけでなく、人間関係においても同じです。

私の周りにも、いつも愚痴を言っている人がいます。

悪口が得意な人もいます。

実は、これは「クセ」のようなものです。

その悪いクセを治す4つの薬があることを、知ってもらいたいものです。

いけません。ついつい、グチが出てしまいました。


(文責:経営士 梅本泰則)

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