日本経営士会中部支部

2023-06-13

社員を成長させるヒント

2023/6/13配信


「儲かる会社になるヒント No.30」

テーマは「社員を成長させるヒント」です。

社員が成長すれば、会社の収益向上に貢献してくれます。

成長をさせるには、さまざまな方法がありますが、ここでは3つの方法をご紹介しましょう。


社員を成長させるヒント

◆ 社員からの質問への返答

経営者にとって、社員を成長させることは、大切な仕事です。
彼らから質問や相談を受けた時、成長をさせる良い機会になります。

例えば、社員から

「新製品の宣伝文は、どんな内容がいいでしょう?」とか、
「どうして、当社の価格は他社より高いのですか?」とか、
「仕事の量が多すぎて、どれを優先させたらいいか悩んでいます」

などと、質問や相談をされたとします。

そんな時、あなたはどう答えますか。
もしかしたら、すぐに答えを出してはいないでしょうか。

ところが、こうした質問、相談にすぐ解決策を与えるのは、社員の成長のためには
良くはありません。

その代わり、こんな風に答えます。
「あなたはどう思う?」

こう聞き返されると、質問、相談をした人には効き目があります。
自分では答えを用意していない場合が多いからです。

そうすると、一瞬たじろぎながら考えます。

それでも分からないと、「分かりません」という返事が返ってくるかもしれません。
そうしたら、「もう一度よく考えて」と促します。

つまり、質問や相談を利用して、社員に考える力をつけてもらうのです。
こうしたやり取りをすると、質問をする前に考える癖がつきます。

これで、社員は成長します。

◆ 社員からの報告

社員から報告を受けるときも、彼らを成長させる機会です。

例えば、お客様に商品を売り込みに行ったときの報告がなされたとします。

「昨日、○○様から○○製品の問い合わせがありました。
今日、そのカタログと見積書を持っていきました。
そうしたら、値段が高いといわれましたので・・・・・・」

といったように、だらだらと経過報告がなされることが多いですね。

こんなとき、あなたは結論から報告をさせるように指導をするのがいいでしょう。

「○○様には、A ブランドの商品を15万円で購入していただくことになりました。
最初はBブランドの商品を紹介しましたが、お客様との予算が合わず・・・」
というように。

結論から先に報告する習慣ができると、報告のポイントが明確になります。

すると、業務の効率が良くなったり、お客様とのやりとりが上手になったり、
成長をしていくことでしょう。

◆ 仕事のミスへの対応

また、仕事にはミスがつきものです。
このミスへの対応の仕方でも、社員は成長します。

例えば、
「お客様が、明日使われる商品が、今日入荷する予定でした。
しかし、私の手違いで入荷しませんでした」
という報告があったとします。

こんなとき、あなたは「なんで、そんなことになったの!」といって、
社員を詰問してはいないでしょうか。

ミスを報告にくる本人は、すでに十分に「申し訳ない」と思っています。
そんなときに「なんで!」という責めかたをされれば、余計に落ち込んでしまいます。

その時は、「なんで・・」という代わりに、「どうしたらいいのか」を尋ねることです。

その答えを待って、一緒に問題解決をしてあげることです。
そうすれば、きっと社員は成長します。

編集後記

要するに、社員自身に答や対策を考えさせることです。
そして、その答や対策を結論から報告させることです。

それが社員の成長につながります。

もしも、そうした方法を使っていないのなら、一度試してみてはいかがですか。


(文責:経営士 梅本泰則)

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