日本経営士会中部支部

2023-08-15

売れないのは誰のせい?

2023/8/15配信


「儲かる会社になるヒント No.33」


テーマは「売れないのは誰のせい? 」です。

商品の良し悪しで、売れたり売れなかったりします。

ですから、出来るだけ良い商品を販売したいと思うのは、自然なことです。

しかし、売れる売れないは、商品だけのせいでしょうか。

もっと根本的な原因がありそうです。


売れないのは誰のせい?

◆ 売れない理由

ここのところ、業績の良くない会社が増えています。
何が原因なのでしょう。

そうした会社の多くは、その原因を何かのせいにしてきたのではないかと思います。

よくあるのが「景気のせい」です。世の中の景気が悪いから売れない、というわけです。

また、「天候のせい」にする人もいます。秋の売上が悪かったのは長雨のせいだ、というように。

「メーカーのせい」にする場合もあります。
「売れる商品を作ってくれない」なんて、言いがかりに近いです。

「競合会社のせい」にする人もいます。
あの会社が低価格販売をするので、取引先が減った、とかですね。

人口が減ったことを理由にする人もいます。

このように、みなさん一生懸命、売れない理由を探されます。
しかし、そんな売れない理由を探しても、解決はしません。

◆ 見方を変える

それで景気が良くなるのでしょうか。

天候は、あなたの思い通りにはなりません。
メーカーは、そうそう簡単に売れる商品ばかりを作ってはくれません。

競合会社の価格戦略を変えさせるのは、至難の業です。
人口減少も同じこと。

これらは、どれもあなたの会社ではどうしようもないことばかりです。
どうしようもないことを問題にしても、仕方がありません。

さらに、こんなことも言えます。

景気や天候が悪いにもかかわらず、儲かっている会社もたくさんあります。

低価格販売や人口の減少は、今に始まったことではありません。
そうした条件の中で、戦っていくのがビジネスです。

それを、何かのせいにしていては、問題解決ができません。

では、どうしたらいいでしょう。
そのためには、少し見方を変えてみることです。

つまり、売れない理由を考えるのではなく、売れている理由を考えてみてはどうでしょう。

会社の商品の全てが売れていないわけではありません。
そうでなかったら、もうとっくに会社はつぶれています。

会社の商品が売れている、その理由を見つけるのです。

◆ 売れている理由

たとえば、

・わざわざ遠くから来ていただけるお客様がいる

・他社では扱っていない商品なので、買っていただける

・経営者との会話が楽しいので、来ていただける

・社員の態度が良いというので、買っていただいた

・お客様の無理な注文に、応えてくれた

・仕入先が当社を優遇してくれた

・気の利いた宣伝文句につられて、買っていただいた

といったように。

理由は、もっともっとあるでしょうから、考えてみてください。

実はこれらは、よく考えてみますと、すべて「~のお陰」ということができます。

「会社のファンになってくれているお客様のお陰」
「特徴のある商品のお陰」
「社長の人柄のお陰」
「社員の接客のお陰」
「自社のことを考えてくれる取引先のお陰」
「上手な販売促進のお陰」

そうなんです。その「お陰」で売れているのです。

ですから、まずはその「お陰」に感謝して、「お陰」の部分を、もっと強くします。

そうすれば、売れないことを、何かのせいにしなくてすみます。
それならば、今からでも出来ることでしょう。

編集後記

要するに、物事の考え方の違いです。

責め心の強い人は「~のせい」にします。
感謝の心が強い人は「~のお陰」と考えます。

このことは、決してノウハウではありません。
人としてのあり方の問題ではないでしょうか。


(文責:経営士 梅本泰則)

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