日本経営士会中部支部

2020-11-10

MECE

2020/11/10配信


「ビジネス理論かんたん解説 No.15」

今回ご紹介するのは「MECE」です。


MECE

◆ MECEとは

MECEは、「ミーシー」または「ミッシー」と読みます。

物事を整理して考えるときに使う手法です。

これは、Mutually(相互に)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体として)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとったものです。

難しい単語が並んでいますね。

一般的には「モレなく、ダブリなく」というように訳されています。

つまり、全体を分類するときには、「互いにモレなく、そして全体にダブリなく」分類すると、正しく把握できるということです。

学校で習った「集合」を思い出してみると、よく分かります。


そして、MECEは経営理論でもフレームワークでもありません。

「考え方」です。

ロジカルシンキングの基本概念でもあります。

コンサルティングには、問題を整理する必要がある場合が多いので、MECEを知っておくと便利です。

◆ MECEの具体例

例えば、「お客様」を「新規」「既存」「県内」「県外」という要素で分類してみましょう。


1)ダブリはないが、モレがある分類

「新規のお客様」と「県内の既存客」に分類した場合、「県外の既存客」がモレています。


2)モレはないが、ダブリがある分類

「新規のお客様」と「既存のお客様」と「県内の得意客」に分類すると、「既存のお客様」の中に「県内の得意客」がダブっています。


3)モレもダブリもある分類

「県内のお客様」と「県外のお客様」と「新規客」に分類した場合、「既存客」がモレていて、「新規客」の中には「県内のお客様」も「県外のお客様」もいるのでダブっています。


4)モレもなく、ダブリもない分類

「県内のお客様」と「県外のお客様」と「新規客」と「既存客」に分類すれば、モレもなくダブりがないので、MECEとなります。


この例は単純ですが、分類をしてみると、意外にとモレやダブリがあったりするものです。

では、なぜモレやダブリがあるといけないのでしょうか。

それは、「網羅できる」「見落としがなくなる」「混乱がなくなる」からです。

全体を分類するときには、ぜひMECEで考えてみましょう。

編集後記

3CやSWOTや4Pなどのフレームワークは、MECEに分類するための方法です。

ロジカルシンキングが生み出した手法だと言っていいでしょう。

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