日本経営士会中部支部

2021-03-09

楽しいチラシ作り

2021/3/9配信


「コンサルの現場 No.21」

企業の方向性や戦略を考えたり、問題解決方法をアドバイスしたりするのが、コンサルタントの主な役目です。

しかし、時には現場で極めて具体的な作業や方法を提案することもあります。

今回は、チラシの作成に携わったときの事例です。


楽しいチラシ作り

◆ チラシを作る

チラシを作るお手伝いをするのもコンサルタントの仕事です。

いえ、私自身がチラシのデザインをするということではありません。

ご相談先がいつも利用している印刷会社と打合せをすることもあれば、私から広告会社をご紹介することもあります。

また、ご自分でパソコンを使ってデザインを起こすお客様もいらっしゃいます。

いずれにしても、私がお手伝いするのはチラシを作る時の考え方のアドバイスと、チラシによる売上・利益目標の設定、チラシ配布後の効果測定です。

時には、チラシの「配布方法」をアドバイスすることもあります。

◆ チラシの考え方

大切なのは、チラシ作成にあたっての考え方です。

地域の小売店が作るチラシは、大規模店が作るようなチラシとは一線を画します。

大規模店のチラシは、大特価とか50%引きとか価格ばかりを前面に打ち出したものが多いです。

しかし、これでは価格だけで買いに来られるお客様が増えてしまいます。

こうしたことを避けるためには、価格以外の来店理由を訴えることです。


地域の小売店にとって、チラシは「お客様をお店のファンにする」ツールだと考えた方が良いでしょう。

そのため、従業員の人たちの人間味が出るチラシになるようにアドバイスをしています。

たとえば、従業員全員の顔写真かイラストを入れて、それぞれ吹き出しで一言づつしゃべってもらうというデザインのチラシはどうでしょう。


また、店長からお客さまへの感謝のメッセージを大きく載せるチラシも良いです。

そして、「○○教室」とか「○○体験会」といった店頭イベントを企画して、それらをチラシで大きく打ち出してもらうという方法もあります。

◆ 皆で考える重要性

大切なことは、チラシの中身を従業員の皆さんで考えてもらうことです。

この「皆で考える」ことが重要になります。

チラシの企画から出来あがりまで、正社員、パート、アルバイトの皆さんが関わることで、その目的や目標が自分のものとしてとらえられるようになるからです。


つまり、チラシを作りながら店舗の方向性を共有したり、働くモチベーションをあげたりすることが出来ます。

ですから、こうしたチラシを作っている時の皆さんは、楽しそうです。

ましてや、目標を上回る売上や来店客数が達成した時は、なおさらでしょう。


とはいえ、だんだんとチラシの効果は薄れつつあります。

だからこそ、しっかりと読んでもらえるチラシにしなければなりません。

そして、お店に来たくなる内容にしなければなりません。

そうすれば、お店のファンが増えていくことでしょう。

こんなアドバイスをしています。

編集後記

このチラシは、小売店に限ったことではありません。

消費者と直接に接する業種ならば、どこでも当てはまるチラシ作成法です。

手法は古典的ですが、デジタル社会が進んだ今だからこそ、効果があります。

ホームページやSNS等ともリンクさせながら告知をすることで、より一層の効果につなげましょう。

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