日本経営士会中部支部

2024-04-02

クレームと上手に付き合う

2024/4/2配信


「儲かる会社になるヒント No.44」

テーマは「クレームと上手に付き合う」です。


社員にとって、お客様からのクレームは嫌なものです。

出来たら避けたいですよね。

それでも、時々はクレームに遭遇します。

どうしたら良いでしょうか。


クレームと上手に付き合う

◆ クレームが起こるワケ

ビジネスにはクレームがつきものです。なぜクレームが起きるのでしょうか。

それは、担当者の応対のまずさから来ることが多いようです。


クレームには、いくつかのパターンがあります。


①お客様が信頼を裏切られたと感じた場合。

例えば、いつもは何も言わなくても1割値引きをしてくれたのに、新しい担当者が値引きをしなかったような時。


②約束が守られないと感じた場合。

例えば、必要な日には間に合うと思っていた商品が届かなかったような時。


③対応が十分でないと感じた場合。

例えば、先のお客様を放っておいて、後のお客様の相手をしてしまったような時。


④損害を受けた場合。

例えば、買ったばかりの商品を洗ったら色落ちがしてしまったような時。


⑤バカにされたと感じた場合。

例えば、販売員が「そんなことも知らないのですか」といった態度をとったような時。


どの場合もお客様は「自分は会社から大切にしてもらっていない」と感じています。

そして、お客様は「100%、会社のほうが悪い」と思っています。

だからクレームになるのです。

◆ クレームの対処法

こんなときは、どんな対応をすればいいのでしょう。

クレームになったら、まずはお客様にお詫びをすることです。

何が原因かはわかりませんが、お客様を満足させられなかったのですから

最初に謝ります。


そして、お客様の言い分をじっくり聞くことです。

クレームを解決するには、それが最もいい方法です。

決して反論をしてはいけません。

お客様の目を見て、

「申しわけございません」

「それはお困りでしたね」

「おっしゃるとおりでございます」などと、

相づちを打ちながら丁寧にお聞きします。


そして、感情を害させたことをお詫びします。

お客様には、言いたいことを言っただけでスッキリしてしまう方もいるほどです。

そして、お話をよく聞いた後で、こちらから解決方法を提案します。

例えば、

「商品交換」

「代金を返す」

「損害の弁償」

「お詫びの品の提供」

などです。

◆ クレームは社員を成長させる

お客様は大体この時点で納得されますが、責任者を出せ、とか、社長を出せとか、言い出すお客様もいます。

偉い人や上の人にクレームを聞いてもらいたいという心理もお客様にはあるからです。

この場合、素直に責任者や社長に代わってもらうのがいいでしょう。

それで、おおむね解決します。


実は、クレームは全部社長に回す、という極端なルールの会社もあるほどです。

お客様は、実際に社長が出てくるとおとなしくなってしまう方が多いそうです。

それはそれでいいのですが、クレームは出来るだけ受けた人が解決する、ということにしておいた方が将来のためになります。

クレームは、人を育てるからです。クレーム処理は、接客、販売力を向上させます。


また、クレームを活かすのもビジネスです。

会社で「クレームノート」や「クレームカード」を作り、それを持ち寄って皆で一つずつ改善をしていきます。

すると自然に会社の管理、運営レベルが上っていきます。

これがクレームの上手な活かし方です。

編集後記

うまくクレーム処理をすると、会社のファンになってくれるお客様もいます。

クレームが会社の利益につながれば、最高ですね。

中には、クレーマーのようなお客様もいます。

そうしたお客様は、金銭目的のことが多いので、気をつけましょう。


(文責:経営士 梅本泰則)

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