ランチェスターの法則
2020/5/26配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.7」
今回ご紹介するのは「ランチェスターの法則」です。
ランチェスターの法則
◆ ランチェスターの法則とは
ランチェスターの法則は、英国の航空工学者F.ランチェスターが、第一次世界大戦の空中戦による飛行機の損害状況を研究して確立した法則です。
武器の性能が同じであれば必ず兵力の多い方が勝つ、という考え方が基本になっていて、ランチェスターの法則には、第一法則と第二法則があります。
第一法則は「一騎打ちの法則」、
第二法則は「集中効果の法則」と言われます。
この法則を経営戦略やマーケティングに応用したのが、ランチェスター戦略です。
◆ ランチェスター戦略の内容
第一法則からは「弱者の戦略」が、
第二法則からは「強者の戦略」が生まれました。
「弱者の戦略」は、独自性を打ち出して他社との差別化を図り、ターゲットを決めて一点突破を行う戦略です。
中小企業がとるべき戦略といえます。
一方、「強者の戦略」は、持てる経営資源をすべて動員して有利な展開に持ち込むという戦略です。
大企業がとる戦略ですね。
そして、
弱者の5大戦略は、
- 局地戦(ニッチ市場を狙う)
- 一騎打ち(ライバルの少ない市場を狙う)
- 接近戦(スキンシップで戦う)
- 一点集中(ターゲットを決めて重点化する)
- 陽動作戦(手の内を読まれないようにする)
強者の5大戦略は、
- 広域戦(大きな市場を狙う)
- 確率戦(数打てば当たる)
- 遠隔戦(広告、チャネルなどを利用して離れて戦う)
- 総合戦(すべての武器を総動員して戦う)
- 誘導作戦(こちらの有利な場所へと誘導して戦う)
とても分かりやすい戦略なので、多くのコンサルタントや企業が研究し採用しています。
編集後記
ランチェスターの法則は戦争から生まれた理論なので、「勝ち方」を教えてくれます。
「孫子の兵法」と似通ったところもありますね。
このランチェスター戦略だけて生計を立てているコンサルタントが何人もいるのは、それだけ成果を出しやすい考え方だということでしょう。