忙しいのにはワケがある
2021/7/13配信
「コンサルの現場 No.27」
コンサルタントの仕事は、事業計画や経営戦略の立案といった、大きなくくりだけではありません。
現場のこまごまとした問題のアドバイスをするのも仕事です。
忙しいのにはワケがある
◆ 「忙しい」が口癖の経営者
「忙しい」「時間が足りない」を口癖にしている経営者がいました。
何がそんなに忙しいのでしょう。
聞いてみました。
「取引先が来るので、応対しなければならない」
「お客様からの問い合わせに答えなければいけない」
「ブログも書かなければ」
「労働基準監督署への提出書類がある」
「会計帳簿をチェックしなくては」
「加工用機械のトラブル修理が必要」
「パソコンのメンテナンスをしなければ」
あれもしなければ、これもしなければ、と言われます。
これでは、毎日が忙しいはずです。
だから、肝心なことが出来なくて困っているとも。
肝心なこととは何でしょう。
それは、経営戦略や販売戦略を考えることだとのこと。
経営者の仕事をよく分かっておられました。
確かに肝心なことが後回しになっています。
◆ 忙しくなる理由
そこで、忙しくなる原因を考えてみました。
どうやら、この経営者は仕事の優先順位のつけ方や整理の仕方が上手ではないようです。
彼は、毎日「やることリスト」を作って、それぞれの優先順位を決めています。
しかし、よく見ると、そのやることはほとんど「作業」のリストです。
これでは、肝心の「経営戦略を考える」時間は確保できません。
ですから、私は次のようにアドバイスをしました。
毎日「やること」を決めるのは良いですが、それよりも先に、1ヶ月間の「やることリスト」から始めます。
今月中にどうしてもやっておかなくてはならないことのリストです。
その次に、1週間の「やることリスト」を決めます。
最後に本日の「やることリスト」です。
すると、1ヶ月間のおおまかなスケジュールが組み立てられます。
ただし、大事なのは、この1ヶ月間のリストの中に「経営を考える」という項目を入れておくことです。
◆ 忙しくならないために
さて、本日の「やることリスト」が決まりました。
次は、その時間配分です。
「忙しい」「時間が足りない」という人は、往々にして自分の仕事処理能力を過信しています。
例えば、一つの「やること」にかかる時間を1時間と見積もったとしましょう。
多くの場合、その1時間でできることはありません。
もしかしたら、その2倍も3倍もかかることだってあります。
それで、時間が足りなくなって、忙しくなってしまうのです。
ですから、決して自分の処理能力を過信してはいけません。
余裕を持ったスケジュールを組み立てましょう。
このようなアドバイスを、この経営者は素直に実行されて行きました。
その結果、経営者から「忙しい」という言葉が出ることがめっきりと少なくなりました。
簡単なアドバイスでしたが、どうやら経営の効率化につながったようです。
編集後記
スケジュール管理の大切さは、経営者ばかりではありません。
社員の皆さんも同じです。
どうしてこんなに毎日忙しいのだろうと思っている社員の方も多いでしょう。
経営者が正しくスケジュール管理が出来れば、社員にもその方法は伝わります。
まずは「隗より始めよ」ですね。