日本経営士会中部支部

2020-12-15

POPでお店に活力を出す

2020/12/15配信


「コンサルの現場 No.17」

経営においては、実行することが大事なことが分かっていても、具体的にはどうしたらいいかが分からないこともあります。

その具体的な方法が、コンサルタントの専門外のこともよくあることです。

そんなときは、コンサルタントはどうしたらいいでしょうか。

今回は、ある小売店の現場で起こったことです。


POPでお店に活力を出す

◆ POPを書く

地域の小売店さんで、商品にPOPをつけているお店は意外と多くはありません。

さすがにプライスカードは付いていますので、ブランド、品名、価格は分かります。

このお店もそうでした。

しかし、プライスカードだけではお客様に何を訴えたいのか、よく分かりません。


そこで、POPをつけることにしました。

しかし、そうはいってもスタッフの人たちは何をどう書いていいのか、経験がありません。

それに、あいにく私はPOPの専門家ではありませんので、適切なアドバイスはむつかしいです。

◆ POPの効果

そこで、ここは専門家にお願いをすることにして、さっそくスタッフに対してPOP講習会を開催しました。

さすが専門家です。

スタッフの皆さんは、POPのポイントが分かってきます。

講習会が終わった後、メーカーのカタログや販促物の文章を真似て書いたPOPを商品や陳列棚などに飾り始めました。

それだけでも、今までの売場とは、ずい分違ってきます。


すると、お客様がPOPの前に立ち止まってその文章をじっと読んでくれているではありませんか。

POPを作ったスタッフは嬉しそうです。

次の日も次の日もPOP作りに精を出します。

◆ 時間制限までも

そのうちに、今度はお客様の感想を入れたり、自分の言葉を盛り込んだりしてPOPを書いて行くようになりました。

だんだん売場が明るくなります。

お客様の反応も上々です。


スタッフの人たちは、POPを作るのが楽しくなってきました。

2ヶ月もすると、POPばかりを書いているスタッフが出てきてしまいます。

さすがにそれでは販売に影響が出るので、POP作りの時間を制限しなければならないほどになりました。

◆ 売場が元気に

今では、このお店の売場には楽しいPOPが踊っています。

元気に跳ねています。

これでお客様が増えないはずがありません。

スタッフの人たちも以前よりハツラツとしています。

自主性も出てきたようです。


影響は他にも及んで、商品陳列にも工夫を凝らすようになります。

こうなると、スタッフにとってはもう自分の売場です。

スタッフの皆さんは、何か買い物に行った時も、きっと他のお店のPOPを見て勉強をしていることでしょう。

スタッフが自発的に仕事をするようになれば、お店に活気が出るのは当たり前です。

これで売上が上がらないはずがありません。


こうした細かいサポートをして業績向上につなげるのも、コンサルタントの仕事です。

編集後記

コンサルの現場では、具体的な提案をすることが必須です。

とはいえ、コンサルタントは万能ではありません。

その道の専門家の力を借りることも必要です。

コンサルタントには、そのためのネットワークを持っていることも求められます。

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