コンサルティング研究会「コンサルネタ古典五作『孫子』から『夜間飛行』まで」
・開催日時:2021年9月26日(日)15:00~16:30
・開催場所:ZOOMオンライン(参加者7名)
・テーマ:「コンサルネタ古典五作『孫子』から『夜間飛行』まで」
・講師:江口敬一
「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」鉄血宰相ビスマルクの名言である。今回は、「古典から経営の本質を知る」を課題に、「孫子」「韓非子」「君主論」「戦争論」「夜間飛行」を取り上げ、以下のアプローチを試みた。
- 時代背景、執筆の動機、著作の全体像を把握する。2)そのうえで故事一つ一つから主題を読み解く。3)経営に活かせる普遍的な原理原則を見出す。
「韓非子」や「君主論」は、権謀術の指南本と見なされがちだが、1)、2)のアプローチを経れば、時代に対応するトップの強力な統率力のもと法制や政体の変革を説き、現代の経営にも求められる「イノベーション」と「マネジメント」という普遍的な経営の本質を含有した書である。「孫子」「戦争論」「夜間飛行」も然りである。中世以降、分裂したドイツを統一に導いたビスマルクの言は、彼が「君主論」の著者マキアベッリ研究の第一人者であり実践者の自負があった故であろう。故事の背景にある古典の全体像を知り、核心の主題を読み解くことは、個別の事象にとらわれず全体像を推察し、問題の核心を見出し、課題解決を図るコンサルティングの本質に通じるものある。番外としてレイチェル・カーソンの「沈黙の春」を取り上げたが、この書とSDG’sをつなぐ本質が何であるかを読み解くことも、環境経営のコンサルティングに必要な視点と思われる。古典は、経営コンサルネタの宝庫でもある。