富山支援センター9月研究会

富山支援センター9月研究会

テーマ:EV(電気自動車)で衰退する日本の自動車産業

研究会の様子

講師:前田雅弘(有限会社バンテック) 

開催日:2023年9月12日(火)

開催場所:富山支援センター987

 日本のEV化が世界より売れ行きが遅れていること、海外市場におけるEV購入が大きく上昇していることが分かりました。

 その背景にはカーボンニュートラルが数年後に迫っていること、SDV(※)開発の出遅れや海外で開発する為に合弁せざるを得ないこと、資源を調達するのが難しい点なども挙げられました。

 EVにおけるイニシャルコスト、ランニングコスト、生産から始まるCO2排出量を既存燃料車と比較をすると長距離かつ長期間利用であればEVの方が勝るが、短距離でサンデードライバーはEVの方が良いという結論とは言えないようです。

 走るための電気を作る燃料や自重のためタイヤが摩耗し粉塵となり環境汚染につながること、EVを整備する整備士不足が課題のようです。

 いろいろな難題、暗い話ばかりではありません。

 世界との開発競争だけではなく、業態の変化や大規模だけではない生き残り方を模索する点、新たな電力の開発や災害時に電気がなければ走行することができない車ではなく、HV・PHEVなどEVだけに偏らない全方位戦略の考え方も重要です。

 全員に広く薄い理解よりも、7割の人に深くしっかり理解してもらう方が永続的な繁栄につながる、ONかOFFかではなく、バルブや歯車のようにちょうど“良い加減”ができる方がよいではないか、とこれからの時代に提言を頂きました。 

(※)SDV(ソフトウェアデファインドビークル)・・・ソフトウェアを中心に作られた車

記:大橋 康子