支部研究会「経営観を養う(イスラエル・パレスチナ編)

パレスチナ街中風景

◆支部研究会

テ  ー  マ:「経営観を養う(イスラエル・パレスチナ編)」

講  師:江口 敬一

開  催  日:2024年4月13日   

開催場所:株式会社中日メディアブレーン研修室   

 社長が経営コンサルタントに求めるものは、経営者自身にはない、新たな視点や考え方である。経営計画の策定や経営管理上の意思決定、経営判断のベースとなるのが“経営観”であり、それは社長自身の「経営の全体像と問題の本質を観る、視点と考え方」のことである。解決すべき経営課題や問題が、社長の経営観の範疇に収まらない場合、社長は経営コンサルタントに新たな視点や考え方を求めるのである。

 経営観を養う教養は、「見識」と「思考法」である。「見識」とは知識と知見であり、知識は他者から得られる情報、知見は自身の見聞、体験から得る情報のこと。また「思考法」とは、創発に必要な考えを整理したり、見直したりする方法のこと。社長に新たな視点や考え方を提供するには、共有する事象を例えに示唆する方法も有効である。「経営の全体像と問題の本質を観る、視点と考え方」の“経営”を“○○”に置き換えればよいのである。

 今回は、講師が2019年1月にイスラエル、パレスチナを視察し、現地で得た知見も交えて、“経営”を“イスラエルとパレスチナ”に置き換え、歴史、宗教、民族、地政学の視点からイスラエル・パレスチナ問題の全体像をどう捉えるか、それにより新たな考え方を得られるかなど、経営観を養うためのワークショップを行った。「紀元前19世紀、ユダヤ人がメソポタミアからパレスチナへ流入した歴史の原点から、気候と民族移動の視点で問題の全体像を考える」、「パレスチナ隔離壁の描画から、バンクシーの視点で現状の背景と問題の本質を探る」など、新しい視点、考え方を模索し、経営観を養うことを試みたセミナー、ワークショップであった。

エルサレム嘆きの壁と岩のドーム

ヨルダン川西岸地区隔離壁