支部研究会「金融機関からの資金調達法」
◆支部研究会
テ ー マ:「金融機関からの資金調達法」
講 師:田積 寿規
開 催 日:2024年6月8日
開催場所:中日メディアブレーン研修室
税理士法人に20年以上勤務しながら様々な融資事例を見てきた講師が、日本政策金融公庫と共同でセミナーを開催した経験や、同僚に元金融機関支店長がいたことを活かして、今回は、融資におけるポイントについて解説していただきました。
「経営において大切なのは、無借金経営や自己資本比率が高いことではなく、手元資金を潤沢に保つことだと思います。無借金経営にこだわることもあながち間違いではないと思いますが、開業当初は特に先行経費がかかるものです。想定外の出費に備えるためにも金融機関から融資を受けることは選択肢の一つです。そのために支払う借入金利息は、経営を安定させる保険料のようなものです。」と、金融機関から融資を受けることの意義の説明があり、その後、融資の基礎知識と金融機関目録の貸借対照表のチェックポイント、それから融資を受けやすい人と受けにくい人、それぞれの差異についても興味深い説明がありました。
また、経営が安定し始めると固定費の何か月分の手元資金の保有が必要か等、目安となる基準を設定することも大切であり、そのためにも金融機関との付き合い方も事業規模に応じて変化させていくべきとのアドバイスもありました。
一方、金融機関の方も姿勢の変化が見えます。不動産担保融資から財務担保融資へ、そして経営者保証の解除など、金融機関としても経営者の資質を求めるようになってきていますので、公私混同された決算書では、融資に影響を及ぼすことも考えられます。今後は、経営者の経営に対する取り組みが、更に重要視されていくとのことです。
「融資が成功したから事業が成功するわけではありません。事業計画を作成する際には、マーケティング視点で集客のアドバイスをすることや、融資実行後のPDCAサポートをすることもコンサルタントとして大切なことであると思います。」と、結んでいただきました。