第1回ビジカル交流会開催
◆第1回ビジカル交流会
開 催 日 : 2025年3月8日
会 場 :タワーラウンジ・カシメ(名古屋TV塔)
「ビジカル」とは、ビジネス×エシカルの造語。環境や社会に優しい事業や活動のPRとマッチングの場づくりとして、中部支部主催の「ビジカル交流会」を開催しました。スピーチと懇親会の2部構成で、会員以外の方も参加できるように企画し、大橋康子副支部長がファシリテーターを務めました。
■ビジカル・メインスピーチ
テーマ:「レイチェル・カールソン 感性の森」
スピーカー:江口敬一 環境情報誌「Risaリサ」元発行人 経営士・環境経営士
◦レイチェル・カールソンの「沈黙の春」(1962年)は、世界で初めて化学物質の環境や人体への影響を警告した、環境問題原点の書であり、環境やSDGsを語る上での前提知識と言える。
◦当時アメリカでは大量の農薬の空中散布が行われており、化学薬品企業は、「沈黙の春」への反論キャンペーンを展開した。しかし、ケネディ大統領が設置した農薬委員会は、R・カールソンの主張が科学的根拠に基づき正しいとの報告を行った。その後、世界中で化学物質、水質、大気、土壌汚染の規制が強化された。
◦R・カールソンは、化学薬品企業に農薬の使用中止ではなく、環境に負荷をかけない製品の開発という解決法を求めたのであり、これが環境経営の原点となった。
◦R・カールソンの遺作「センスオブワンダー」に記された、「知ることは、感じることの半分も重要ではない」。是非この言葉の意味を考えてほしい。
■ビジカル・サブスピーチ
テーマ:「フードバンクの役割」
スピーカー:松原優子 NPO法人フードバンクぎふ 経営士
◦日本の食品ロスは年間472万トン、毎日一人1個分のおにぎりが捨てられている。
◦フードバンクとは、賞味期限や規格外などを理由に販売が困難、あるいは企業の余剰在庫となった食品やフードドライブで預かった食材を、食料に困っている人へ無償で届ける活動・システム・団体のこと。
◦フードドライブとは、家庭などで余った食材を集め、フードバンク等へ寄付をする活動。
◦企業が社員と一緒にフードドライブに取り組むことで、社員の福祉活動やSDGsに対する意識を高められる効果が期待できる。
◦フードバンクを利用する方々のその背景は様々で、生活保護の窓口問題(扶養照会、自動車保有制限等)や制度自体への偏見などから、生活保護を受けずに困窮する人が多い。
◦「フードバンクぎふ」では、生活に不安のある方に対して食糧支援と、少額の報酬ながらも活動を手伝ってもらうことにより、社会と関わる“はじめの一歩”を支援している。
■ビジカル懇親会
スピーチの後は、和気あいあいとパーティタイムです。PRタイムでは、参加者が自身や自社の事業や活動を紹介し合うなど、ビジカルな交流会となりました。今回、経営士会のイベント初参加の環境経営士の方が数名おいでて、「環境経営士になっても何もなかった。定期的に交流会を企画して欲しい。」との要望をいただき、第2回ビジカル交流会を5月に開催することをその場で決定しました。また、会員以外で参加の方からは、「経営士会の雰囲気に触れられ、関心が持てた。」との声もいただきました。
初めての企画で反省点も多々ありましたが、ビジネスとエシカルでつながる交流の場となるよう、定期開催を目指したいと思います。 (記 江口敬一)

ファシリテーター大橋副支部長

ビジカル懇親会風景