SWOT分析
2020/0/0配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.4」
今回ご紹介するのは「SWOT分析」です。
SWOT分析
◆ SWOT分析とは
SWOT分析は、経営戦略を考えるときに便利な環境を分析するツールで、経営コンサルタントにとっては、基本中の基本です。
自社の
「強み(Strength)」
「弱み(Weakness)」
事業の
「機会(Opportunity)」
「脅威(Threat)」
を見極めます。
「強み、弱み」は、
自社の組織力、財務体質、製品開発力、技術力、ブランド力、人材、歴史など経営資源に関する分析です。
「機会、脅威」は、
市場の動向、競合他社の戦略、顧客層の変化、今後の景気、国の政策、世界経済など、外部の動きについて分析します。
これらを、4つのマスの中に書き出して整理をしたあとで、強み・弱みを機会・脅威に当てはめて考えるのです。
すると、
- 強みを活かせる事業機会は何か
- 脅威を回避できる自社の強みはあるか
- 事業機会を取りこぼす要因となる弱みはあるか
- 最悪の事態を招かないためにどうしたらいいか
ということまで、考えることができます。
◆ SWOT分析の活用
A寝具店のSWOT分析をしたところ、次のようになりました。
〈強み〉
- ボランタリーチェーンに加盟している。(商品調達力)
- オリジナルノベリティに人気がある。(商品開発力)
- 接客がうまく、顧客からの信頼がある。(信用力)
- 会員メンバーから顧客ニーズを収集している。(情報収集力)
- 「親と子の快眠教室」が当たっている。(企画力)
〈弱み〉
- 若年層の来店客数が大幅に減っている。(販売力)
- データベース化した顧客情報が活用されていない。(技術力)
- 販売、マーケティングに関するノウハウがない。(組織力)
〈機会〉
- 市内経済は回復傾向にある。(経済動向)
- 行政の子育てサービスが充実してきている。(国の政策)
- 核家族世帯向け建築需要が増加している。(市場動向)
- 介護用に改装をする家が増加している。(今後の景気)
- 大手スーパーの品ぞろえが不十分である。(競合他社)
〈脅威〉
- 市の人口が緩やかな減少傾向にある。(人口動態)
- 大型スーパー出店で、商店街小売店の閉店が続く。(市場動向)
- 若年層の大半が大型スーパーに流れている。(顧客層の変化)
- シルバー世代が減少していく。(顧客層の変化)
さて、A寝具店は今後どんな方向に進めばいいでしょうか。
皆さん、お考え下さい。
編集後記
SWOT分析は、どの経営コンサルタントも頻繁に使います。
問題点や課題を整理するには便利だからでしょう。
ところが、とらえ方によっては脅威とも機会とも考えられたり、強みとも弱みとも考えられることが出てきます。
さらには、分析をしても、「では、具体的にどうしたらいいのか」ということまで導き出してはくれません。
意外と便利ではないのです。
ここからが、経営コンサルタントの腕の見せ所と言えます。