忙しいのにはワケがある
2022/7/12配信
「儲かる会社になるヒント No.14」
テーマは「忙しいのにはワケがある」。
今日も、たくさんやることがあります。昨日やり残したこともいくつか。
気が付いたら、一日があっという間に過ぎています。
やってもやっても片付きません。あなたは、そんなことはありませんか。
忙しいのにはワケがある
◆ 「忙しい」が口癖の経営者
「忙しい」「時間が足りない」を口癖にしている経営者がいます。
何がそんなに忙しいのでしょう。聞いてみました。
「取引先が来るので、応対しなければならない」
「お客様からの問い合わせに答えなければいけない」
「ブログも書かなければ」
「労働基準監督署への提出書類がある」
「会計帳簿をチェックしなくては」
あれもしなければ、これもしなければ、と言われます。
これでは、毎日が忙しいはずです。
「だから、肝心なことが出来なくて困っている」とも。
肝心なこととは、経営戦略や販売戦略を考えることだそうです。
これはいけません。
そして、業績が振るわないのを、「忙しい」ことを理由にしたフシもあります。
さらにいけません。
この会社では、社員も忙しそうにしています。
いつもバタバタと働いています。
その内の一人に尋ねてみました。「忙しそうですね」。
すると、「そうなんです。やってもやっても仕事が片付きません」。
◆ 忙しくなる理由
この経営者は、あれもこれもと仕事を抱えてしまうのが癖です。
そして、その一方で、社員に「あれもこれも」と指示をします。
そうなると、会社全体が「あれもこれも病」です。
これでは、忙しくなってしまうのは当たり前です。
では、どうしてそんなことになってしまうのでしょう。
それは、仕事の優先順位のつけ方や整理の仕方が上手ではないからです。
この経営者は、毎日「やることリスト」を作って、それぞれの優先順位を決めています。良いことです。
しかし、よく見ると、そのやることはほとんど「作業」のリストです。
これでは肝心の「経営戦略を考える」時間は確保できません。
ということは、「やることリスト」に問題があります。
毎日「やること」を決めるのは良いですが、決め方が問題です。
まず、1ヶ月間の「やることリスト」から始めます。
今月中にどうしてもやっておかなくてはならないことのリストです。
それには、毎月生じる通常業務も含まれます。
例えば、来月の販売戦画の立案、月度販売会議の開催、月度請求書のチェック、といったことです。
それに、経営戦略上必要な「やること」をリストに加えます。
例えば、次期シーズンの商品計画立案、3か月後のイベント企画立案、といったことです。
これで、やることが決まりました。次は時間配分です。
◆ 忙しくならないために
「忙しい」「時間が足りない」という人は、往々にして自分の処理能力を過信しています。
例えば、一つの「やること」にかかる時間を1時間と見積もったとしましょう。
多くの場合、その1時間でできることは少ないものです。
もしかしたら、その2倍も3倍もかかることだってあります。
だから、忙しくなるのです。時間が足りなくなります。
これは、経営者ばかりではありません。社員の皆さんも同じです。
その結果、残業が増えてしまうことにもなります。
そのためには、それぞれの処理時間の目安を決めておくといいでしょう。
例えば、販売日報の作成時間は20分までとか、
売上分析の時間は30分までとか。
そうしたことを決めておけば、時間が有効に使えます。
そんな習慣が出来れば、「忙しい」という社員は少なくなることでしょう。
そして、まずは経営者自身が時間の使い方に上手くなることです。
時間は誰にも平等に与えられています。うまく使うのは、工夫次第です。
編集後記
よく「どうして自分だけがこんなに忙しいのか」と不平を漏らす人がいます。
得てして、これは勘違いのことが多いです。
他の人も、同じように「忙しい」と思っています。
「自分だけが」という人は、もしかしたら忙しいことを自慢しているのかも。
また、仕事が出来ないことへの言い訳かもしれません。
(文責:経営士 梅本泰則)