従業員の定着率アップ、5つの方法
2022/7/26配信
「続・コンサルの現場 No.15」
従業員の「定着率アップ、5つの方法」をお伝えいたします。
従業員が定着しないのは、中小企業の大きな問題です。
ではどうしたら定着率がアップするのでしょうか。
従業員の定着率アップ、5つの方法
◆ 従業員の定着率とは
従業員の定着率とは一定期間後に会社に在籍している従業員の割合ですが、厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、2020年全国平均の離職率は14.2%です。
ということは、定着率は85.2%ということになります。
今年、100人いた従業員は、新たな就業者がいないと、翌年には14人が減り、86人しか残らない訳です。
この原因は何でしょうか?
◆ 従業員が定着しない原因は
先日、ある経営者から、人を募集し採用するが、最近の若者は直ぐに退職してしまい人の募集にお金がかかってしまう。どうしたら良いかという相談がありました。
しかもその経営者いわく、他の企業の給与条件が良ければ、直ぐそちらに変わって行ってしまい困っているとのことです。
また、HPの充実で大学生も入社してくれるようになったが、汚れる仕事や力仕事をやってもらうと、その従業員は何のために大学で勉強してきたかが繋がらず、将来が不安だと退職してしまうことがあったようです。
そこで経営者にその原因を聞いてみたところ、「最近の若者は気にくわなければ他にもいくらでも転職できるし、元々一つの企業に定着する考えは無いだろう」と返答がありました。
果たしてそうでしょうか、企業に問題がある気がするのです。
◆ 時流の変化に対応し従業員獲得
生まれた時からスマホがあり、幼いころから使いこなしているZ世代は、SNSやYoutube、TikTokなどで、自分自身を簡単にPRでき、ヒットすれば多くのフォロアーが獲得できることを知っています。
更に、昔のように地道に我慢しながら先輩から教えを乞うことなく、何かをするにも先日の事件のように簡単に銃が作れてしまう時代なのです。
角度を変えてみると、それはSNSなどから知識を直ぐに獲得でき、我慢しなくても自分から興味があることは進んで知識を得て行くことになります。
ところが、若者は、当初、興味があってその企業に就職してみたものの、何で自分がこんなことをしなくてはならないのか、先輩より教えもなく、結果もなかなか出ず、社内雰囲気も良くないと考え離職に走るのです。
結局、自分が発揮出来る所に変わりたい、と思うようになってしまいます。
◆ 従業員が定着する工夫が必要
昔は従業員を定着させるために、福利厚生があり、新入社員歓迎会、暑気払い宴会、慰安会、忘年会などが行われていました。
しかし、コロナの影響ばかりでなく、会社行事に参加する時間がもったいないし、給与も付かないので参加しないと思う若者が多くなってきているのです。
つまり、若者が求めているのは、自分の力を発揮したいということであって、それに対して企業側が「目先の仕事を我慢してやってください、その内、慣れてきたら考えるから」と言えば、若者は先行きに不安を感じてしまい、そのギャップが離職する原因となってしまっています。
ではどうしたらよいでしょうか。
私は、下記のように若者の定着率をアップする方法を経営者に伝えています。
- その企業の理念や方針を理解させる。(若者の将来の不安を無くす。)
- 与えられる仕事の内容と社内貢献を伝える。(若者の自分の企業内の位置を確認させる。)
- 責任ある仕事を与える。(若者は、責任が与えられれば一生懸命になり自信になる。)
- 新入社員にはマンツーマンの先輩が担当し、相談にのる。(若者の仕事に対する不安を解消させる。)
- 勉強させる時間を与える。(企業が若者に対して期待をさせる。)
定着率アップの工夫方法を経営の一部と捉え、検討してみては、どうでしょうか。
編集後記
若者従業員は、企業にとって、将来に対し貴重な存在です。
その企業の発展とサスティナビリティは、若者の育成に掛かっています。
若者がだめなのではなく、経営者が時流と共に若者の心理を読み解き、対応する工夫が大切ではないでしょうか。
経営者が一度、TikTokを視聴すると、より理解できるかと思います。
(文責:経営士 三品富義)