X理論 Y理論
2020/4/14配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.5」
今回ご紹介するのは「X理論 Y理論」です。
X理論 Y理論
◆ X理論Y理論とは
1950年代の後半、アメリカの経営学者マグレガーにより提唱されたリーダーシップに関する理論です。
リーダーの行動様式は大きく2つに分かれるとし、それがX理論Y理論だと提唱しました。
X理論では、本来人間は怠け者だという人間観を持ち、
Y理論では人間は自ら努力し目標を達成することに喜びを持つという人間観を持っているとしています。
X理論は性悪説の立場で、Y理論は性善説の立場と言ってもいいでしょう。
いずれにしても、職場には怠け者も働き者もどちらもいるものです。
それぞれ、リーダーの部下管理の方法は違いますが、X理論の傾向に近いリーダーとY理論に近いリーダーとでは、その管理の方法が違うとマクレガーは考えました。
つまり、X理論の人間観を持ったリーダーは、部下の管理を「命令と統制」によって行い、Y理論の人間観を持ったリーダーは、「目標と責任と自由裁量」による管理をすると考えたのです。
そのうえで、マグレガーはY理論による管理の方が優れていると提唱します。
強権的なリーダーシップだけでは従業員の満足が得られないということが分かってきたのでしょう。
◆ Y理論の人間観
マグレガーはY理論の人間観を推奨しました。
そして、その著書「企業の人間的側面」で、Y理論の人間観をあげています。
- 仕事をするのは人間の本性であるが、条件しだいで、満足したり嫌悪したりする。
- 人間は自分から進んで身をゆだねた目標には自発的に努力する。
- 献身的に努力するか否かは、達成して得る報酬しだいである。
- 人間は条件しだいで責任を引き受ける。
- 人間は問題解決能力をもっている。
- 人間の能力は組織内で一部しか活用されていない。
これらに納得できる人は、Y理論の人間観の持ち主だと言えます。
とはいえ、現状を見てみますと、組織運営はX理論Y理論のように必ずしも単純ではなさそうです。
リーダーシップは、奥の深い問題ではないでしょうか。
編集後記
リーダーシップは、経営上大変重要な要素です。
ですから、リーダーシップに関する理論も数多く唱えられています。
「PM理論」「マネジアル・グリッド理論」「SL理論」など。
コンサルタントも経営者や幹部にリーダーシップの発揮の仕方をアドバイスする場面が多いです。
この問題は、人間性や人間力の問題でもありますので、なかなか一筋縄ではいきません。
それだけに、リーダーシップの文献が多いのでしょう。