企業のチームワークづくり
2023/6/6配信
「続・コンサルの現場 No.30」
企業で重要と言われてる、チームワークがテーマです。
従業員から業務改善案が出てこないという経営者のお悩み相談から、チームワークづくりの必要性を紐ときます。
企業のチームワークづくり
◆ 業務改善の提案が出てこない
K社は、従業員に業務改善案を毎月提出するように要望しています。
しかし、提案が出てこなく、困っていると経営者より相談がありました。
その提案の方法を聞いてみると、全従業員が毎月末までに業務改善案(1件以上)を指定された用紙に記入し、総務が設置した提案箱に入れるというものです。
K社の従業員は、70名います。
月に業務改善提案は、1件またはゼロだそうです。
そこで、経営者に提案が少ない原因は何かと訪ねてみました。
最近の従業員は、業務改善に対する意欲がないことや、それほど重要ではないと認識しているからだ、とのことです。
◆ 業務改善の提案の内容
そこで、少ない業務改善提案の内容をお聞きしました。
「人を増やして欲しい」「高効率の設備に変更して欲しい」などコストがかかる内容ばかりとのことです。
更に「業務改善は、経営幹部がするもので、従業員が考えるものではない」との意見もあったそうです。
月に1回の幹部会議においても、幹部から業務改善提案が出ません。
従業員が、業務改善案を提出しない理由について真の原因をヒアリングやアンケートなどで調べる必要がある旨をお伝えしました。
◆ 企業はチームワークが肝
今回のような事例は、多く存在しているかと筆者は感じています。
その主な原因として、下記三つが考えられます。
- 経営者と従業員が企業目標に向かってのチームワークができていない。
- 経営者が「従業員を雇ってあげている」とか、「経営者の意見を尊重せよ」と思っているような経営者の考えがある。
- 経営者と従業員との話し合う機会が、コロナの影響によって減少している。
特に1.のチームワークが重要で、経営者が引っ張るのみでなく経営者と従業員が目標に向かってチームになることが肝なのです。
これらを解決するには、経営者が企業理念、目標などを末端の従業員まで浸透するよう、朝礼などで言い続ける必要があります。
人は一度や二度聞いても理解できないものです。
更に、経営者は、多数の従業員に出来る限り、雑談をしつつ話しかける努力をします。
そうすると、徐々に経営者と従業員の距離が縮まり、お互いが尊重できる風土として、業務改善提案が出てくるのです。
編集後記
経営者も従業員も同じ人間です。
しかし、それぞれの人の考え方はどうしても違います。
お互いが理解しようとすることが大切なのです。
前向きな言葉として、「ありがとう」「すばらしい」「それいいね」などを使うとお互いの心がなごみ、コミュニケーションアップにつながっていくかと思います。
(文責:経営士 三品富義)