健康経営は社長の行動と言動が肝
2023/9/19配信
「続・コンサルの現場 No.35」
昨年11月に記載いたしました「健康経営」について考える第2回目となります。
健康経営は社長の行動と言動が肝
◆ 健康経営とは
経済産業省によると「健康経営」とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。」と記載されています。
つまり、経営者は、従業員が心身ともに元気であるように仕組むことが重要であり、それを自社の発展につなげていくのが「健康経営」なのです。
また、企業は、メンタル不調な従業員を出さないことが「健康経営」とも言えます。
企業がこの「健康経営」が構築できれば、社内がギクシャクせず、のびのびと仕事が進み、業績アップが続くことになり、事業継続につながって行くことになるのです。
◆ メンタルの不調者を出さないためには
従業員は会社に行き、アイディアを一杯出したい、効率よく仕事がしたい、仲間に会えるのが待ち遠しい、上司から良い話が聞きたいなど、毎日が楽しく充実した仕事ができることを希望している方が多いのです。
ですから、従業員が活気のある、前向きな思いになり、ストレスもなく仕事の業績が伸びていけば、その企業は健康経営になっていると言えます。
このように、従業員がメンタル的に不調のない、元気で活性化した企業にするにはどうしたらよいでしょうか。
従業員が遅刻したり、欠勤が多くなっている場合は、従業員にストレスが出てきている黄色信号であり、ほぼ間違いなく社長の行動と言動に問題があります。
これは、よく言われる、「親が親なら子も子」です。
企業においても、従業員は、社長の真似をします。
社長がルールを守らないと、従業員もルールを守らないのです。
反対に、社長に活気があり、その社長が、前向きに従業員と関わっていれば、おのずと従業員にも活気が生まれ、前向きな行動になるものです。
つまり、企業の責任者である社長の行動と言動が、従業員に波及し、健康経営に結び付くかどうかが肝となります。
◆ 健康経営は社長の仕事
私が企業支援にお伺いする際、受付に先ず行き「こんにちは」と周辺に聞こえるように声をかけます。
すると、毎回、A社は睨みつけられますが、B社は毎回、大勢の方より「いらっしゃいませ」と笑顔で迎えていただけるのです。
これは、やはり社長の従業員への教育や関わり合いの違いがあり、B社はこの健康経営ができていると言えます。
一方、健康経営とは、定期的な健康診断やストレスチェックを実施し、産業医によって従業員のメンタル管理をすると言われているのです。
これはこれで、企業として実施することが必要だと思います。
しかし、根本的な健康経営を図るには、社長が日頃の従業員との関わり方が、最も重要であり、これは社長の仕事なのです。
社長はいつも元気で、積極的に従業員と仕事についての改善や進め方など、前向きに検討する機会をつくる努力をしなければなりません。
社長は、多忙だからといって従業員との関わりを放置したり、社長権限を強く押しだしたりすると従業員に不満やストレスが発生し、健康経営にマイナス影響が出てしまいます。
さらに、社長は、いつも従業員に観察されているのです。
社長の行動や、言動はいつも従業員に真似をされ、良い方向に向かっていれば良いのですが反対の方向にいけば業績低下にもなっていく可能性があります。
最近では、従業員を上手く活かす、人的資本も唱えられています。
健康経営の構築には、社長が最も関わり、進めていくことが重要なのです。
編集後記
部長は社長の真似をし、課長は部長の真似をし、係長は課長の真似をします。
つまり、従業員は社長の真似をするのです。
トップである社長が、積極的に従業員に挨拶をしたり、声をかけたり、職場ルールも当然に守り、時には、従業員と一緒に掃除などで行動を共にすることも必要であります。
そうすることによって、従業員満足度が上がり、健康経営につながっていくかと思うのです。
(文責:経営士 三品富義)