PEST分析
2020/10/20配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.14」
今回ご紹介するのは「PEST分析」です。
PEST分析
◆ PEST分析とは
世の中の流れに対応するのが「経営」だと言われています。
そのためには、自社を取り巻く環境が自社にどのような影響を与えるかを把握して、今後の予測をしなければなりません。
それを分析する手法が「PEST分析」です。
自社を取り巻く環境には、大きな視点からのものと、小さな視点からのものがあります。
小さな視点から分析するものは、「業界環境」です。
一方、大きな視点からの分析要素として、
「政治(Politics)」
「経済(Economy)」
「社会(Society)」
「技術(Technology)」
の4つがあります。
これらの変化を分析するのがPEST分析です。
もう少し具体的に言うと、
「政治」とは、政治状況、税制、条例、規制、関税などです。
「経済」とは、経済成長率、可処分所得、物価、為替、失業率など。
「社会」とは、人口構成、雇用、教育、流行、地球環境など。
「技術」とは、デジタル化、AI、ロボット化、自動化、新エネルギー。
といったことがあげられます。
つまり、この4つの要素が、過去数年の間にどのように変化してきて、今後数年間でどのように変化していくのか、また変化しないのかということについて分析と予測をします。
◆ コロナ禍でのPEST分析
そして、今後は新型コロナのこともあり、次のような変化が予想されます。
すでに始まっている変化もありますが、
【政治の変化】
政権の交代による政策の変更、行政のデジタル化推進、地方の強化
【経済の変化】
GDPの低下、経済の停滞、地銀の体力低下、サプライチェーンの見直し、グローバル化の再考、Eコマースの増加、キャッシュレス化
【社会の変化】
少子高齢化による人口構成、デジタルトランスフォーメーションの進展、テレワークなどの働き方、教育のデジタル化、社会保障制度の見直し、医療制度の見直し、SDGsの拡がり、気候変動への対応
【技術の変化】
デジタルテクノロジーの積極的な開発、AIの進歩、IoT技術の進化、自動運転技術、5Gの活用、脱炭素エネルギー技術の進展といったところでしょう。
PESTの4つは、それぞれが関連し合っています。
その変化が業界や自社にどのような影響を及ぼすかということを考えなければなりません。
この分析が間違っていれば、変化への対応も間違ってくることになります。
その意味では、真剣に行うべき必須の作業です。
企業が成功をおさめるには、正しくPEST分析をしなければなりませんね。
編集後記
経営コンサルタントは、このPESTに関する変化について、日頃から情報を収集しておくことが重要です。
また、今後の変化も予想しておかなくてはなりません。
そして、クライアントにとって影響が大きいと思われる変化を整理しておくことも大切な仕事です。