OODAループ
2020/12/1配信
「ビジネス理論かんたん解説 No.16」
今回ご紹介するのは「OODAループ」です。
OODAループ
◆ OODAループとは
OODAはウーダと読みます。
最近、ちょっと有名になってきた理論で、観察(Observe)、状況判断(Orient)、意思決定(Decide)、行動(Act)の頭文字をとったものです。
Orient は、「仮説構築」とか「方向付け」とも訳されます。
「意思決定」のための理論で、米空軍のジョンボイド大佐が提唱しました。
指揮官のあるべき「意思決定プロセス」を理論化したものといえます。
実は、この理論は、皆さんよくご存知のPDCAサークルと比較されています。
PDCAは、生産管理の場面で活用され始め、それが経営の場面にも応用されているものです。
そして、状況があまり変化せず、安定している事柄にたいして効果を発揮します。
ですから、「業務改善」に適したフレームワークと言えるでしょう。
ところが時代はますます予測不可能で、不確実、不安定、複雑な様相を呈しています。
そんな状況に対して、OODAループが脚光を浴び始めているのです。
つまり、不明確で変化の速い状況の中では、現状から最善の判断を下し、即座に行動を起こすことが求められています。
例えば、起業を成功させるとか、新規事業を開発するといった明確な工程のない課題に対しては、このOODAループを活用することが効果的です。
PDCAと違うのは、観察や状況判断を重んじていることにありますが、PDCAと併用することで、さらに成功しやくなると言われています。
◆ OODAの簡単な具体例
メーカーの製造部門を例にとってみます。
・観察(Observe)
製品Aの受注が前年比20%アップしている。
・状況判断(Orient)
このままでは欠品が生じる可能性がある。
・意思決定(Decide)
外部の工場に製品Aを発注することにする。
・行動(Act)
外部工場から見積もりを取り、収支計算のうえ発注する。
簡単に言えば、このようなことです。
次に食品会社の販売部門を例にしてみます。
・観察(Observe)
今月発売の即席麺が100個売れたが、先月の新製品は200個売れた。
・状況判断(Orient)
今月の新製品は、パッケージやネーミングに問題があるかもしれない。
・意思決定(Decide)
商品の質は良いので、ネームやパッケージのデザイン変更をする。
・行動(Act)
ネームとパッケージの変更をし、市場に投入する。
いかがでしょうか。
もちろん、現実はこのように簡単なループではありません。
重要なのは、柔軟な判断やスピード感のある実行です。
編集後記
インダストリー4.0、マーケティング4.0、DXなど、世の中の変化が急速です。
それに加えて、新型コロナのもたらす予測不能な変化があります。
コンサルタントもうかうかとしていると、置き去りにされてしまうでしょう。
日々の研鑽が必要だということですね。