整理・整頓でコミュニュケーション
2021/10/26配信
「続・コンサルの現場 No.2」
生産工場においてコロナをチャンスとして活かす。
ここ2年近くコロナ影響により従業員間のコミュニュケーションが上手くとれず、業績にも影響が出てきており、どう対応すればよいか、そんな中小企業経営者からのご相談です。
整理・整頓でコミュニュケーション
◆ コロナの影響
コロナ対応ワクチンも接種率がアップし、緊急事態宣言も明け、明るいニュースが増えてきてます。
しかしながら、このコロナは私たちに様々のことを教えてくれたのです。
そんな中、ある中小企業社長より、コロナの影響で「飲みコミュニケーション」が出来なくなり、人と人の交流が閉ざされ,どうして対応してよいか困っていると相談がありました。
確かに会社は福利厚生の名目で、今まで、この「飲みコミュニケーション」が従業員交流を図る行事として活用されてきたと思います。
従業員は人です。
お互いに信頼し合い、協調し、何でも言い合える風土が会社組織に必要なのです。
また、会社は全従業員のベクトル(目標達成)を合わせて行かねばなりません。
飲み会が無くなったコロナの影響をどう克服していくのか。
それはコロナをチャンスと捉え、飲みコミュニケーションで交流を図るのでなく、本来の仕事の中で,新たに従業員同志の交流を図る方法を決めて行く必要があります。
◆ 従業員が取り組む整理・整頓
コミュニュケーションは、従業員同志の仕事上での会話をする機会をつくれば良い方法となるのです。
しかし、通常の仕事での会話はどうしても上司や先輩の経験が勝り、部下は遠慮もあって自分の意見がなかなか言い出せないことが多くあります。
ではどうしたら良いのでしょうか。
そこで社長に提案いたしました。
「従業員同志が誰でも共通で出来る事をしましょう。その一つが整理・整頓です」。
「整理」は使わない物を捨てることですから、使かっているか使っていないかは、毎日みていれば必然的に分かります。
例えば、新人から、上司や社長にこれは全く使っていないから捨てても良いですかと聞くことができます。
「整頓」では、誰がみても何処に何があるか分かるよう表記するのですが、その際どこに何を置きどのように表記するのか、ベテランと新人との共通会話ができます。
整理・整頓は新人だろうが、ベテラン社員だろうが特別なスキルは要りません。
つまり、整理・整頓することは子ども時代から実施しているもので、上下関係に関係なく会話ができてしまう力があります。
もちろん、社長も従業員と一緒に整理・整頓をいたしました。
◆ 従業員が毎朝15分間、チームごとに分かれて計画的に環境整備
そして、整理・整頓がある程度できるようになると、次は本格的に毎朝15分間、環境整備の時間をつくり習慣化していきました。
1年間位、この15分間を続けていきましたら、この環境整備を各部署でチームをつくり、それぞれ年間計画を立て遂行していこうということになりました。
そのチームリーダーが自分のチームの進捗をチェックしたり、他のチームの環境整備のやり方を参考にし改善していきました。
そして、そのチームリーダーは役職やベテランでなく若い人に担当させたところ、その若い従業員のモチベーションが上がり、社内が活気づいてきたのです。
どうでしょうか、この環境整備は、会社の風土が変わる力があるようです。
皆様の会社でも、検討していただけることをお勧めいたします。
◆ まとめ
- コロナの影響で従業員のコミュニケーションがとれなくなってきている。
- 社内コミュニュケーションをアップさせるには整理・整頓に取り組むと良い。
- 更にチーム毎に環境整備を行い、そのチームリーダーに若い人を担当させると社内風土が良くなる。
編集後記
会社は人と人の信頼関係が重要なのですが、それは従業員同志で会話を多くしていくことで成り立っていきます。
以前は、慰安会、歓迎会、忘年会などで社内コミュニュケーションを図ってきた経緯があり、それが出来なくなったコロナの影響で社内コミュニュケーションの仕方について見直す必要があると、コロナから教えていただいてるかと思います。
是非、皆さんのコンサルティングの中でも、整理・整頓の環境整備を勧めていだだければと思います。
(文責:経営士 三品富義)