会社内の働く環境整備で会社が変わる
2022/6/14配信
「続・コンサルの現場 No.13」
会社内の働く環境を整備すると会社が良くなるというお話です。
会社内の働く環境整備で会社が変わる
◆ 不具合発生の対策訪問
ある自動車部品を製造している2次下請けの会社にて、ほぼ毎日、何らかの納期遅れ出荷部品間違い、不良品などが出ていました。
そこで私は、何等かの対策をということで、その会社の製造現場を視に行き、従業員とその社長から話を聞き出すことにしたのです。
ところが、従業員も社長もどうしたら良いか分からなくなっており、毎日クレームに追われ、心が疲弊している状態でした。
こうなると悪循環で、クレームは一向に減少しません。
さらに、社内全体を見渡してみると、何となく雑然としており、従業員の顔に明るさがありません。
会社全体が重い空気になっている感じでした。
◆ 不要な物の処分
そして社内を見渡すと、社内が雑然としており、使ってもいない机、道具や機械がところ狭しとあるのです。
実はこのような環境の下では、人間は良い仕事が出来ません。
これは、人間の目は、不思議と平衡感覚を元々もっており、物を斜めに置いたり、高低がばらばらになっていると気が付かない内に違和感をもってしまっているのです。
それに、誰しも潜在的にスッキリとした部屋で、仕事がしたいと思っています。
そこで、社長にこのことをお話し、ここ一年間、利用していない設備、道具など全て、思い切って休日出勤(土曜日)し従業員全員で捨てることにしたのです。
その結果、次の月曜日の朝礼で、予想通り、ほぼ従業員全員の顔がなんとなく今迄と違うスッキリ感がありました。
そうなんです、社内に不要なものが減少しスッキリ感が現れたのです。
更に、従業員が全員で協力し合ったことが、従業員同志でのコミュニケーションアップになり、会社が一丸になれたのです。
◆ 社長室は要らない
次に、社長室を無くしましょうと提案しました。
社長室があると、従業員と社長が分離してしまうのです。
ましてや、社長が社長室に入っていれば、何か秘密があるのではないかと潜在的に疑いがでてしまいます。
よく見ると、社長室内も要らないものばかりがあるようでした。
よく社長が整理整頓しなさいと言っているが、実は、社長室内が整理整頓されていないことが私の経験上、よくあります。
当初、社長は渋っていましたが、社長と従業員間の一体感や何時でも会話ができる状態にすることが、クレーム減少につながることになると説得し、社長室を壊し従業員の休憩室に改造したのです。
従業員からは、社長室を壊してまでも、従業員のために考えてくれたのだという信頼感の成果がでてきました。
そして、社長は、皆と同じ事務所に机一つとなり、従業員との会話の回数が激増してきたのです。
◆ 働く環境整備で会社が変わる
会社の中は不要なものは置かない、要るものは整然と作業しやすいように並べることが必要です。
また、会社は社長が中心なのですから、従業員と何時でも会話ができる状態にいたします。
それにより、社内が活性化され、会社が今までと変わり、クレーム減少につながっていくのです。
編集後記
不具合などのクレーム対策は、その原因究明としてなぜなぜ分析を行うことも重要ですが、社内の根本的な働く環境整備や社長との会話、従業員が一丸となれるモチベーションなどが、会社の基本的な土台であることに、見直す必要があるかと思います。
(文責:経営士 三品富義)