あることを決めれば「プロ集団」になれる
2022/10/4配信
「儲かる会社になるヒント No.18」
テーマは「あることを決めれば『プロ集団』になれる」です。
社員の能力を高めたいと思っている経営者は多いでしょう。
どうしたら、その能力を高めることができるでしょうか。
研修などによる社員教育も一つの方法ですが、もっと手軽な方法もあります。
あることを決めれば「プロ集団」になれる
◆ プロフェッショナルの定義
ある経営者が、「プロと言われる集団の会社にしたい」と言われました。
良いですね。
では、この「プロ」とは具体的にはどんな人を言うのでしょう。
本人が「プロ」だと思えることなのでしょうか。
それとも、周りが「プロ」だと認めればいいのでしょうか。
いずれにしても、しっかりと「プロ」の定義をしておくことです。
実は、「プロフェッショナル」という言葉は、いろいろな定義がされています。
辞書を引いてみました。
- プロは、自らが果たすべき役割をまっとうする能力を備えた人
- 社会の第一線で通用する専門知識、実務能力を持った人
- どんな環境でも自ら考え判断し、責任を持って説明できる人
- 自分の強みが発揮できる部分で負けない力を持つ人
いろいろとあるものですね。どれも何となく分かります。
とはいえ、抽象的な表現です。
そこで、あなたの会社の「プロ」の定義は、もっと分かりやすくしましょう。
そのためには、業務ごとにプロの「レベル」を具体的に決めることです。
◆ プロの「レベル」を決める
社員の業務はいろいろあります。
ある会社の業務は、販売、商品管理、広告宣伝、経理、財務、総務に分かれていますが、その業務ごとにプロのレベルを具体的に決めるのです。
例えば、販売のプロのレベルを定義してみます。
- 1日の商談件数が20件を超える人
- 月給の15倍以上の月間売上ができる人
- 月給の4倍以上の月間営業利益が稼げる人
- 商品の使用感だけでなく、一歩進んだ使用法を語れる人
- マーケティング担当者レベルの知識がある人
- SNSに毎日投稿し続けられるIT活用力がある人
といったように。
また、財務のプロならば
- 貸借対照表や損益計算書で経営分析ができる人
- 資金繰り表による資金の流れを助言できる人
- 銀行との借り入れ交渉ができる人
- 代金の未回収をゼロにするための助言ができる人
- 不良在庫による利益減をなくせるよう助言ができる人
といったことでしょうか。
◆ レベルを決めると、プロの集団になる
いえ、この定義が正しいということではありません。
定義は、会社独自に決めることです。
そして、それぞれの業務においてプロのレベルが定義できれば社員の人たちの目指すところがはっきりします。
最初にあげた、いろいろな「プロフェッショナル」の定義だけでは、目指すところがあいまいなのです。
ぜひ、会社独自のプロのレベルを決めてみてください。
そして、このプロのレベルを決めると、さらに良いことがあります。
同時に「セミプロ」や「アマチュア」といったレベルも具体的に定義できるからです。
各レベルの具体的内容が決まれば、それを一覧表にします。
社員は、その表を見ながら自分はどのレベルにあるかを考えることでしょう。
プロのレベルに達していない人は、プロを目指してがんばるに違いありません。
そうすれば、会社は「プロの集団」となっていくのです。
そのためにも、プロの定義をしっかりと考え業績の向上につなげていきましょう。
編集後記
要するに、「こうあって欲しい社員の姿」を社内に示すことです。
そして、経営者はどんな人と一緒に仕事をしたいかを、明確にします。
それが、プロフェッショナルな経営者の役目ではないでしょうか。
(文責:経営士 梅本泰則)